吉高由里子の主演映画「ユリゴコロ」(2017 東映、日活、ジャンゴフィルム)を見る。
とくに見たい映画というわけでもなかったのだが、キャストも豪華だし見ておこうかと。監督は熊澤尚人だったのか。
この映画で吉高由里子は2017年度の日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞している。女優吉高を見るのは本当に久しぶり。
「ユリゴコロ」というタイトルなのに何故に彼岸花?内容がぜんぜんイメージできないのだが、どうやらサイコサスペンスなのでは?と推測しながら見始める。PG12指定。
松坂桃李は婚約者が失踪。そして末期がんの父の書斎の押入れにから「ユリゴコロ」という大学ノートを見つけ出し読み始める。
そこには女が「ユリゴコロ」なるものを探し求めて殺人を犯していくという生々しい告白が書かれていた。松坂は取り憑かれたように読む。
まるで乱歩作品のサイコパスたちの独白のよう。生き物や少女を殺していく映像が白昼夢のよう。
中学時代の美紗子役は清原果耶だ。雰囲気がまるで愛子さまだ。ちなみに、愛子さまの飼ってる猫の名前はニンゲンw
ユリゴコロってなんなん?どうやら精神科医が言った「心のよりどころ」の幼児ならではの独自解釈らしい。
美紗子の調理専門学校で初めての友だちみつ子(佐津川愛美)のリストカットシーンが怖い。「自分で切るならアタシに切らせて」「友だちのしるしにアタシのも切って」
狂った女は怖い。吉高のメイクが怖い。血がリアルで怖い。
予想はできてたけど不快な出来事が連続してやってくる。ムカデって踏みつけても死なないんだな。これも怖い。
この映画を見て初めて「今何時ですか?」と聴いて来る女の意味がわかった。昔、海外で夜ひとりで歩いていてこんなふうに声をかけられ怖かった記憶がよみがえった。
松坂の余命短い父の若いころを演じた松山ケンイチがいいひと。
だが、ダムでの自殺ほう助シーンが一番怖い。
草むらを歩くと衣服にくっつくアレが大量にある中での幻想性交シーンも怖い。
メインビジュアルの吉高はなんら可愛くも美人でもないが、街角に立つ娼婦吉高は可愛く撮れていたことはことわっておく。
80年代前半ごろの日本社会か?暗すぎて気が滅入る。この映画も責め苦のようですごく長く感じた。フィルムノワールすぎた。
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