SERVICE OF ALL THE DEAD by Colin Dexter 1979休暇中のモース警部が、よせばいいのに、自分の担当でもない事件を捜査。教会で男が刺殺され牧師が塔から投身自殺した事件。
モース警部シリーズはどれも次々と妄想を組み立てては壊して、どれが真実だったのか?最後にはもうどうでもよくなるし、読後にはもう思い出せないし、という作風。
だが、この「死者たちの礼拝」はいままで読んできたものの中ではわりと抑制ぎみ。モース警部とルイス警部が行く先々で死体を発見するなど、展開として面白かった。2時間サスペンス映画を見ている感覚で読めた。
モース警部がこの事件を追うようになった理由がやっぱり女。この人、いつも「イイ女」かどうかをチェック。たまたまそこにいた事件関係者にイイ女がいたから、近づきたくて捜査に介入。最低。
それにしてもデクスターの書く文体と構成が分かりづらい。で、あれはどうだったのか?よくわからないまま終わるのが常。もっとシンプルで劇的な構造が好ましいが、これが英国の知識層にウケる作風かもしれない。
この作品は終わり方がわりとハッピーエンド。モース警部はイイ女とベッドへ…という目的が達成されているw
クリスティにも「セッ●ス」という言葉はよく出てくるのだが、70年代英国では中年男女であってもあけすけに下品に言う。職場で妻子ある上司が看護婦をベッドに誘う。MeToo運動が起こったのはこれらの反動か。
これ、登場人物に「キドリントンから消えた娘」と同じ人物(容疑者)が登場する。なので、「キドリントン」→「死者たち」という順番を逆に読むと一部ネタバレを起こすので注意。
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