2019年5月20日月曜日

アガサ・クリスティー「書斎の死体」(1941,1942)

アガサ・クリスティー「書斎の死体」を読む。高橋豊訳の1976年ハヤカワ・ミステリ文庫版で読む。
THE BODY IN THE LIBRARY by Agatha Christie 1941,1942
これ、13歳のとき一度手に取った。クリスティは内容を予想できないタイトルが多いのだが、こいつはイメージできそう。中学生だった自分はワクワクした。
当時これと同じものを買ったのだがその後手放し、時空を超えて再び同じものを入手し読んでいる。

ミス・マープルの友人バントリー夫人が朝早くメイドから起こされる。「書斎に死体があります!」夢うつつの夫妻は半信半疑。
だが、やっぱり書斎にイブニングドレスドレス姿の見知らぬ若い金髪女性の絞殺された死体がある…という場面からスタート。

捜査の結果、隣州にあるホテルの臨時雇い18歳ダンサーだったことが判明。ホテルに雇われたダンサーというと今の日本の若者はショーのようなものを見せるダンサーを想像するかもしれないが、戦時中の英国田舎町では男女が社交ダンスする相手。

この娘とホテル滞在客で親身につきあっていた車椅子姿の老富豪がいた。出会ってまだ1か月のこの娘に5万ポンドを遺贈するように遺言状を書き換えていた。老人は8年前航空機事故で実の娘も息子も失っていた。

やがて石切り場で盗難車ごと焼かれた16歳少女の遺体。

そしてバントリー邸近くに住む不良映画関係者の逮捕。だがマープルばあさんは犯人は他にいる!と断言。真犯人を罠にかける…。

これもつまらない地味事件かな…と思いきや、やっぱりクリスティ女史にダマされた!黒焦げ遺体が出て来た段階でアレがああなってるなと気づくべきだった。
目に見えていることが真実とは限らない。誰の言う事も裏を取らない限り信じないマープルの勝利。

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