2019年4月17日水曜日

西尾維新「掟上今日子の推薦文」(2015)

引き続き「掟上今日子の推薦文」(2015)を読む。著者あとがきによればこのシリーズの第2巻。
自分は第10巻を読んだ次にこれを手に取った。親切さんが美術館警備員として掟上さんと初めて出会うのが本作。

第一章「鑑定する今日子さん」
いつも同じ絵画をじっと眺める白髪の女性に声をかけた警備員。あるときはその絵画を2億円と見積もり、別の日には200万円だという。
抽象絵画だと思っていたら、その絵のスケッチをとる少年によれば、その絵は地球の絵だという。
今度は老人がやってきてその絵を杖で破壊。警備の仕事をクビになる。一体なぜ?白髪の女性からもらった名刺をたよりに相談を持ち掛ける。

これは122Pとわりと長い短編だったのだが、今まで読んできた中で一番つまらなかった。
真相がどうってことないし、この内容のわりに冗長すぎ。

第二章「推定する今日子さん」
これも短編集かと思って読み始めたのだが、それぞれの章が繋がっていて一冊としての長編だった。
美術館をクビになった原因をつくった老人から、自宅タワマン地下アトリエでの仕事を邪魔されないように警備のバイトを高飛車に依頼される。そこに今日子さんも引き込む親切さん。
現場に乗り込むと老人はナイフで腹部を刺されて倒れていた!掟上「犯人はこの高層マンションの中にいる!」

第三章「推薦する今日子さん」
解決編ともいえる章だが本の半分を占める長編。高層住宅の住民はすべてパトロン老人に飼われた画家の卵たち。
エラリーとかだったら全員が容疑者としてねちねちと尋問を受けるところだが、忘却探偵は時間がないので端折る。名前のある容疑者はたったの一人。第一章から登場するスケッチ少年しかいない。
今日子さんは事件現場を見た瞬間から犯人がわかっていた。

だが、自分としてはこれまで読んできた今シリーズでこれが一番印象が薄かった。というのも犯人と動機が予想の範囲内だから。

事件解決後に親切さんは掟上さんから事務所警備員としての雇用を申し込まれる。第2巻からそんな関係だったのか。

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