松本清張の「疑惑」は原作を読んだことがあって、数年前から桃井かおり&岩下志麻による映画を見ようかとずっと思っていた。
そうこうしてたら2月3日にテレビ朝日で「疑惑」をやってくれた。この作品は過去何度もテレビドラマとして製作されている。今回はじめてドラマで見てみた。
自分、米倉涼子のドラマをあんまり見たことがない。米倉といえばここ数年はずっと自信満々の医者か弁護士。自分の見たいと思うようなドラマには出ていないが、松本清張の「悪女」に関しては第一人者。
米倉は見た目が華やかでスタイルがよいスター女優。ブロードウェイのミュージカルに出演するとか、マジ尊敬の女優。俺のまさみも40代になっても米倉のようにバリバリ主演を張っていてほしい。
今回のドラマ、楽しみにして見始めて開始数分で「これ、ダメじゃない?」って思い始めた。「疑惑」ってこんなだったっけ?2時間娯楽作としてかなり盛ってる?全然あたまに入ってこない。
脇役がかなり豪華だったりして期待値が上がっていた。だが、その脇役たちに清張が書いていない存在感があって邪魔だった。その結果、散漫でどう見ていいのかわからない…。登場人物それぞれに見せ場が必要だった?
それに小さい笑いの要素がもれなくウザい。清張作品を読むことで得られる淡々としたジワジワくる怖さとサスペンスをまったく感じない。なんか、自分の期待と製作者側の意図する方向性がまったく違う。脚本家のセンスが自分とまったく合っていなかった。
スマホ、SNS、動画サイトなど、清張先生の時代にはないものが次々登場。
米倉弁護士がICレコーダーを駆使して検察や下衆い週刊誌記者とやりあう。そういうのいらない。
米倉と黒木のキスシーンは何?米倉「しらふで女性としたのは初めてです」って、酔った状態ならあったん?
このふたりのやりとりが緊迫したサスペンスになるはずだったのだが、コントのように見えてしまった。
映画では桃井かおりが演じるエキセントリック悪女くま子は黒木華。ちょっと意外な人選。
この女優、美人でもかわいいわけでもなく、男性からも女性からもそれほど人気があると思えない。リアルに昭和20年代30年代のそのへんに居そうなチョイ美人っぽい。その点でくま子役に最適だったかもしれないが。
今回の「疑惑」は、演出のせいかもしれないが、黒木の演技の才能が活かされたとはいいがたい。
黒木といえば自分には「リーガルハイ」。「疑惑」じゃなくてあんな悪女サスペンスコメディーにすればよかったのに。
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