2019年2月15日金曜日

ラリイ・ニーヴン「インテグラル・ツリー」(1983)

ラリイ・ニーヴンというハードSFの巨匠作家の本を初めて読んでみた。
そこに「インテグラル・ツリー」(1983)の1986年ハヤカワSF文庫(小隅黎訳)1992年第4刷が100円で売られていたので買っておいたもの。
「ナウシカ」を見てすぐに読み始めた。きっとナウシカのような独特の世界の住人の戦いを描いていたはず。
THE INTEGRAL TREES by Larry Niven 1983
実は自分、この本を15歳か16歳ごろ読んでみたことがあるのだが、世界観がまったくイメージできず途中で挫折した。

T3(恒星)から2.5×10⁸キロはなれた中性子星をドーナツ状にとりまくガス円環体の中にあるスモークリング内部は水や泥や植物が漂う世界。そこにインテグラル記号の形をした巨木が浮遊。
恒星間旅行でたどり着いた人類の子孫の成れの果てが、樹に寄生する形で独自進化。

汐力(タイド)という重力がある樹の端房で、綿状の葉っぱを食べたり、キノコやら他の生物やらを狩ってなんとか小さな集落をつくって生き抜いてる。引力が弱いので人間は背が伸びている!?

日本の縄文と弥生時代の間のような感じ。階級があり、勢力争いや他の部族と戦争。こんな世界で生きていくのはつらい。

これを正しく作者のイメージした通りにその世界を脳内に描けているひとはほとんどいないに違いない。読んだ人が100人いれば百通りの映像になっているはず。自分の想像力ではとてもイメージし難かった。
素晴らしい表紙イラストがなければ自分はその世界をまったくイメージできなかった。

人によっては楽しめるかもしれない。だが、自分にはその世界観に驚嘆しつつも、それほど楽しめなかった。世知辛い生存競争。自分はあまりオススメできない本だった。

0 件のコメント:

コメントを投稿