2018年8月27日月曜日

黒澤明「椿三十郎」(1962)

黒澤明「椿三十郎」(1962 東宝)はラストの決闘シーンが有名すぎて、その前に90分続くドラマ自体はあんまり関心なかったw それではいけないというわけでしっかり見た。

黒澤明の三船敏郎映画は誰しもが褒めたたえる映画史上の名作ばかりで、とくに何か言おうと思わない。

冒頭の若く義憤にかられ血気盛んな若者たちの演技がやはり一時代も二時代も昔を感じさせる。どういう状況なのかの説明シーンがしっかり聴かないとよくわからないのに聴きとりづらい。
田中邦衛の顔の存在感が強いw「てめえは目暗か!」って三船から怒られる。加山雄三はハンサムお侍。小林桂樹はおっとり笑い担当キャラ。

策士VS策士。まるで「コンフィデンスマンJP」のようなダマシあい。悪人側の悪事があんまり描かれていないので、敗者の側が哀れに思えてくる。悪人側も焦ってやきもきして困惑してる。
三船敏郎は頭脳も剣もめちゃめちゃ強い。アホな若者たちと城代家老の奥方にペースを狂わされたり、襖の開け閉めの音のデカさに悩まされるなどの面白シーンも盛っている。

悪者がやっつけられるのは爽快かもしれないが、黒澤はラストで囚われの城代家老の口から「もっと穏当な他のやりようもあった」と語らせる。そこ、さすがだ。

敵方の仲代達也の眼力と雰囲気が今の阿部寛そっくり。

ラストの決闘シーンがこの映画のすべて。世界を絶句させた衝撃シーン。まだ見ていない人もいるかもしれないので、詳しくは語れない。
居合という技術は時と場合によっては最強。

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