2018年8月26日日曜日

アガサ・クリスティー「バートラム・ホテルにて」(1965)

アガサ・クリスティー「バートラム・ホテルにて」(乾信一郎訳 1976 ハヤカワ・ミステリ文庫)を手に入れた。こいつも100円でゲット。
AT BERTRAM'S HOTEL by Agatha Christie 1965
こいつが自分にとって2冊目のミス・マープルもの。
エドワード朝時代の格調高いホテルに宿泊するミス・マープル。
紅茶に本物のマフィンを愛する英国老人ばかりが集まっておしゃべり
「例の髪を長くしたビートルズとか何とかいった連中に夢中になるよりかはましだろう」
というような会話をする老人たちw 60年代英国はそんな時代。クリスティ女史74歳のときの作品。

父親の残した莫大な財産があるのに21歳になるまでどうにもできない17歳の自由奔放娘、その後見人、冒険家の母、オートレーサー、ホテルの面々たち、それぞれの視点で断章的につづられるドラマ。読んでるほうは何がなんだかわからない。列車強盗事件まで発生。

やがて宿泊客のぼんやり老牧師が失踪。やっと事件らしいことが起こったと思いきや、殴られて倒れているのを見ず知らずの人が助けて寝かされてただけ?!どこがどう繋がるのかわからずに見る映画のような展開。どれもが伏線のようでさらさらと流して読めない。

最後の方になってようやくドアボーイが射殺される事件が発生。地下通路入口付近に潜んで撃った真犯人は誰?

この作品、今まで読んできたクリスティー作品とちょっと違う。事件の中心にあるバートラム・ホテルを調査して事実を解明するのがデイビー主任警部。

マープル婆さんは事件にそれほど関与してこない脇役。舞台装置のひとつとしてそこに配置されている。
だが、最後の最後で鋭い観察眼からひと言コメント。急転直下、全体像が見えたとき、おおぉ!と驚いた。こいつもやっぱり面白かった。

結末は後味悪いが、多くを語らないのがおしゃれ。わりと好きな1冊になった。

ネタバレになるので多くは書き留めないが、最後に長澤まさみが出てきて「コンフィデンスマンの世界へようこそ」とドヤ顔で言う画が見えたw それらしく見えているものは実はすべてが嘘!

0 件のコメント:

コメントを投稿