2018年7月24日火曜日

シリーズ深読み読書会「悪魔の手毬唄」を見た

7月21日にBSプレミアムで放送されたシリーズ深読み読書会「悪魔の手毬唄」を見た。

このシリーズは「八つ墓村」の回は見たことがあるのだが、「犬神家の一族」の回は見逃した。今回は事前に録画して見た。大変に興味深い新知識をたくさん得た。

音楽界随一の横溝正史オタ安藤裕子が登場。「手毬唄」の歌唱も披露w 

自分、市川崑の「悪魔の手毬唄」は何度も見ているのだが、原作は高校生のとき一度読んだっきり。当時の自分は横溝正史の原作は「違う!」と納得がいかずに、それほど価値を見出せないでいた。角川文庫も持っていたのだが、何度かの引っ越しの末に今はもう紛失。

原作では犯人の死後に動機をみんなで討論する場面がある?!それ、完全に忘れていた。作家・関川夏央氏によれば、そういう形式になったのは戦後民主主義の雰囲気のせい。

二松学舎大文学部山口教授を見て、昨年末に横溝正史の未刊の新聞連載「雪割草」を発掘した人だ!と気づいた。
この人が横溝の遺族から譲られた写真に、横溝とミス・ユニバース伊東絹子が一緒に写っている写真があった!

ということは大空ゆかりこと別所千恵子のモデルは伊東絹子ではないのか?という推測がされていた。
そして、横溝正史の疎開先だった岡山県岡田村(現真備町岡田地区)の当時の同年代の娘だった老人たちに話を聴くと、あの当時はやっぱり人気歌手といえば美空ひばりだった?! やはり当時のアイコンをいくつか合わせたキャラクター。それに、原作では若者たちのキャラがみんなどこか薄い。
さらにびっくりしたのが、横溝家が正史の書く小説のように複雑。なんと異母兄に歌名雄(かなお)という人物がいた!?まじか。
しかも、鬼首村の庄屋・多々羅放庵のモデルになった人物も母の前夫の長男だった孚一(ふいち)という一度も会ったことのない兄だったらしい…。

真犯人は金田一さんに挑戦的でサイコパス?!脳科学者がそういうのだから間違いない。
江戸川乱歩が上諏訪で肺病の療養中だった横溝を見舞ったときの8mm映像を初めて見た。

作家たちとオタたちの深読みっぷりがすごくて感心した。面白かった。早く「悪魔の手毬唄」文庫本を手に入れたい。

そしていよいよ7月28日に新作「悪魔が来りて笛を吹く」が放送される。今から予約して待機。

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