2017年5月4日木曜日

アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」(1973)

アーサー・C・クラーク「宇宙のランデヴー」(1973)という本を108円で手に入れた。アーサー・C・クラークを初めて読む。

自分は今までほとんどSF小説を読んだことないけど、これは高1のとき読もうとしたことがある。これとジャケットが違う版を持っていたのだが、とうの昔にどこかへ逝った。

RENDEZVOUS WITH RAMA by Arthur C. Clarke 1973 の2014年発売のハヤカワ文庫改訳決定版(南山宏訳)という版らしい。わりとキレイな1冊で安価に手に入れられてラッキー。

2077年に巨大隕石が落下し60万人が亡くなった…という未来、その50年後に世界は宇宙監視計画をスタートさせる。
え?太陽系外から巨大な円筒形の人口建造物が侵入してくるんですけど!この円筒型物体はRAMAと名付けられた。

たまたま近くにいた商船を派遣し内部を探検。地球人が初めて異文明とコンタクトするその日を描く。
様々な分野の有識者が委員会をつくって議論。自分が一番興味があったのが、円筒内部の気象だった。

RAMAは中に大気と海の存在する直径20キロ、長さ50キロほどの4分間で1回転する密閉された中空の円筒物体。太陽近日点に近づくと表面温度が500度を超える。すると内部でハリケーンが起こる可能性が…。
回転する円筒内部でどのような風が吹くのか?自分にはまったくイメージできない!w

未知すぎる対象とどう接して理解するか?科学的知識を動員して好奇心を満たしてくれる。結局人類は太陽系外からやってきた文明をほとんど理解できないまま、再びRAMAは去っていく。何だったの?って本。

クラーク先生によれば、恒星間航行をしてくるような高度に発展した文明は倫理道徳も高度に発展してるはず。でないと文明が発展する前に相互に争って滅んでるはず。なので地球を侵略するようなことはない…はず、って聞いて安心したw

だが、この本、面白かった。かなりワクワクできた。

イメージできないといえば、活字だけで書かれていることをイメージするのは難しい。想像力の問題だが、ほんのすこしでもイラストがあったらよりイメージしやすかったんだが。

2 件のコメント:

  1. 自分のようなSFファンにとっては、クラークは神さまみたいな存在ですね。知識欲に満ちていて、はったりや技巧やエロがない。とにかくどこまでも健全にしてストレートで読後感が爽やか。こういうところはアイザック・アシモフと双璧でしょう。
    ノンフィクションもいいし、ジュブナイルも短編も素晴らしい。妙に真面目で固いところも好ましい。
    コンピュータが故障した彗星探査機が、日本人隊員の持ちだした「算盤」で必死に地球への軌道計算を行うという泣ける作品もあった。
    そして長編は、当然殆どが傑作。「楽園の泉」(これは宇宙エレベーターを初めて取り扱ったもの)、「渇きの海」(遊覧船が月の砂塵に沈む近未来サスペンス)、「海底牧場」(宇宙に挫折した中年男が鯨の牧場で再生していく)、「都市と星」「2001年宇宙の旅」・・・etc。
    世間的には代表作は人類の進化を扱った黙示録「幼年期の終わり」で決まりのようです。クラークの代表作にしてSF小説の代表作。確かに素晴らしいのですが、わたしは「銀河帝国の崩壊」や「宇宙のランデヴー」も同じぐらい好きだし優れた作品だと思っています。
    「宇宙のランデヴー」は映画化の話が長いこと燻っているようです。ぜひ映像で観たい! あと続編が「2」「3」「4」と出ています。残念ながら続編は何れもクラーク単独の作品ではなく、共著になっています。(読まない方がいいかもしれません)

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  2. クラーク、面白かったので次に「楽園の泉」を探してます。ハヤカワSFも古本はあまり見かけないですね。
    「宇宙のランデブー」の映画化の話があることはツイッターで世間の反応を探ってて知りました。ほとんどのシーンがCGになるだろうけど、ぜひ見てみたい。

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