2017年4月10日月曜日

エラリイ・クイーン 「最後の一撃」(1958)

まとめて3冊買ったエラリイ・クイーンの最後に読んだのが「最後の一撃」(THE FINISHING STROKE 1958 Ellery Queen )だった。

これも1977年版青田勝訳のハヤカワ・ミステリ文庫。自分が手に入れたものは1985年の第10刷。

まず冒頭で1905年に雪のニューヨーク郊外の悪路で自働車横転事故が起こり、身重の女性が双子を出産するシーンから始まる。そして両親死亡。
お、その展開はなんだか横溝正史っぽくてワクワクするw

そして1929年クリスマスパーティーのシーン。「ローマ帽子の謎」で有名人になった推理作家エラリイくん24歳と、大学で同級生のジョン青年の詩集出版と婚約発表に集まった12人。え?誰も知らない人がもうひとり紛れてる?

雪で隔絶された屋敷内で、次々と知らない間に置かれるクリスマスプレゼントとメッセージカード。やがて、図書室で誰も見知らぬ老人の刺殺体が発見される…。エラリイ探偵が捜査開始。なんだか金田一少年っぽくてわくわく!

だがこれ、1957年から1929年を振り返るアメリカ人にとっての「三丁目の夕日」的小説だった!当時を知る人は懐かしいかもしれないが、日本人にはまったくなじみのない話題ばかり。
真ん中あたりでページをめくる気が失せ始めたw これ、ちゃんとした着地点があるのか?

そこで話される話題につきあいきれないw この本、もっと簡潔にまとめてほしい。それに、これを読む多くの日本人は現在地を見失うと思う。あとがきで訳者の苦心の弁が語られる。

双子のもう一人はクイーン警視の調査ですでに死亡していることが確認されるのだが、そのあとのまさかのオチには思わず笑った。

未解決のまま27年が経ち、みんな老いた。だが、市庁舎移転によってある日突然「当時の証拠どうする?」という話がエラリイに持ち込まれると、イッキに解決。

だが、このあざやかな解決編も2017年を生きる日本人にはまったく馴染みのない話。みんな置いてかれるw

あと、1929年っていうと、世界大恐慌の始まった年だよね?って思いつつ読んでいた。最後の最後にそのことも動機に関係してた。

読んでよかったか?うーん、映像で見たら面白かったかも。

2 件のコメント:

  1.  EQはネタ担当ダネイと文章担当のリーの従兄弟の二人組の作家で、日本では岡嶋二人がこのタイプのミステリー作家でした。岡嶋二人は「クラインの壺」「99%の誘拐」「チョコレートゲーム」など傑作ぞろいですからBOOKOFFで探されてもいいと思いますよ。面白いですよ。(現在は文章担当だった井上夢人がソロとなって生き残っています)
     EQには長編以上に評判の「神の灯」という中編がありまして、これは創元の「エラリー・クイーンの新冒険」という作品集に含まれています。
    「最後の一撃」以降は「盤面の敵」ぐらいしか評価の高い作品は見当たらないけど、これはリーの代わりにシオドア・スタージョンが代作しています。「最後の一撃」がEQの文字通り最後の一撃になったのかもしれませんね。

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  2. なんとなく藤子不二雄みたいなイメージだったけどそんな担当だったんですね。
    岡嶋二人、なんとなく名前は見たことある。

    土日にBOを3店舗回ってみたけどEQは1冊も見つからなかった。Amazonで1円出品とか買ってみようかな。

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