2017年1月30日月曜日

塚本晋也 「双生児~GEMINI~」(1999)

江戸川乱歩「双生児~ある死刑囚が教誨師にうちあけた話~」塚本晋也監督による映画化作品だと聞いて、 「双生児~GEMINI~」(1999)を初めて見てみた。

原作は読んだことあるけど、この映画に関しては何も予備知識がない。

登場人物の眉毛が消してあって雰囲気が異常。なんか、明治大正時代の写真をそのまま立体に起こしたような質感で人々が存在する。生気のない感じがとても不気味である意味リアル。日本のようで異世界のようでもある。

主人公(本木雅弘)は軍医として日露戦争に従軍。帰還し勲章を貰っているという設定なので明治末という設定らしい。

原作にない前段のようなストーリーが足してある。男女の物語が盛ってある。

原作にない貧民窟という舞台が登場。自由にやりたい放題の別世界。これ、海外映画祭にも出品されたそうだが、日本が誤解される。当時の日本スラム街はあんなカブキっぽい感じ?

あんな短編小説でどうやって84分の映画にするんだろう?と思っていた。原作とまるで違った前衛的な映画になっていた。

見ていて意味がわからなすぎる。ストーリーもよくわからない。主人公の父(筒井康隆)はどうやって死んだのか?画面を見ていてもよくわからなかった。土のようなもの、何?
乞食僧侶(石橋蓮司)はどういう関係?最後のシーンは何を見た?時系列はどうなってる?
見ていて混乱した。

とても前衛的な芸術作品のような映画なのでストーリーどうこう言うべきでない作品かもしれない。寺山修司の舞台作品のようなノリで仕上げたホラー作品でもあった。
乱歩の「双生児」とはまったく別物だった。乱歩作品はレトロ表現にすぎない映像化が多い中、まったく独特な世界観で新鮮だった。

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