このブログの記事を検索

2016年12月19日月曜日

関裕二 「藤原氏の正体」を読んだ

すっかり関裕二の古代史著作を読むことが習慣化。物部氏→蘇我氏ときて今度は「藤原氏の正体」を読んだ。

2002年に東京書籍より出版されたものに加筆した2008年の新潮文庫版。これもやっぱり108円で手に入れた。状態がそれほど良くない本だったので、タオルにくるんで風呂に持ち込んで読んだ。

内容が「物部」「蘇我」とかぶっていることが多いのでそれほど新鮮味はなかったのだが、従来の正史に対して挑戦的な内容。

合議制のヤマトに独裁を持ち込んだのが中臣鎌足にはじまる藤原氏。自家のみの繁栄を画策し暗躍し、天皇家を裏で操る血塗られた日本のカリオストロ伯爵家。藤原独裁の暗黒時代が400年続いたのが平安時代。

大化の改新で蘇我氏を滅ぼした中臣鎌足は百済からの人質・豊璋。ヤマトの外交に介入し、日本を滅びる一歩手前まで陥れた。

天武持統を操ったのは藤原不比等。日本書紀も日本神話もこいつの創作w

政敵・菅原道真も追い落とす。正史からは巧妙に事実を隠すのだが、後ろめたい藤原氏は祟り怨霊を怖れる。著者は「おかしくね?」って事実をつぎつぎと指摘していく。

この本、小学校中学校時代に教わった歴史要点をおさらいしてくれる。班田収授法、三世一身法、墾田永年私財法を経て荘園制へ、ぐだぐだと律令制が崩壊していく過程に藤原摂関家の政治独占があったことをわかりやすく教えてくれる。中学生のころにこういった本と出合っていればもっとよくわかっていたはず。高校受験以来久しぶりに聞く単語だらけだったわ。

菅原道真の大宰府左遷もこういった経緯だったのか!ちゃんと説明していれば藤原の悪魔ぶりとセコさは子供心にもわかっていたはずだ。

藤原氏は平安時代だけでなく、室町時代には日野が足利将軍家に、江戸時代には3代将軍家光に鷹司が女を送り込んで外戚関係を結んだ。そして幕末、明治維新、戦後…、藤原氏は今も日本を裏で操っている?!
近衛文麿は昭和天皇の前で足を組んだって本当?天皇は藤原家の女が産んだ男子にすぎないって認識でナメてた?

巻末で日本の偉い学者たち、官僚的とも言える東大の先生方が藤原氏の正体を暴くことに不敬のようなものを感じていることを指摘。天皇家と藤原は密接になりすぎた。

摂政と関白の違いも初めて知ったw こどもでもちゃんと説明してくれればわかることなのに。

平成の今上天皇陛下は日本史上初めて一般平民から皇后を迎えた。それ、とんでもなく偉大。日本のエスタブリッシュ階層の人々にとってとてつもない衝撃。

今年、天皇陛下の退位の意志が大きな話題になった。だが、安倍政権の選んだ有識者たちには生前退位に反対する人が多いようだ。天皇のことは天皇自身には決めさせない!という勢力の強い意志を感じる…。きっと一代かぎりの特例法で落ち着くような気がする。

あと今年、電通という会社で起こった東大卒女性のパワハラ過労自殺ニュースを思い出した。これ、テレビでほとんど続報がない悲劇。
この出来事も、キツい労働は門地門閥のない有能な働き蟻にやらせておいて、エスタブリッシュ階層の人々が話し合いで美味しい部分をもっていく…って構図を想い起こさせた。

きっと東京オリンピックもそうなる。リスクは都民と国民に押し付けて美味しいところだけいただく。電通という正体のよくわからない現代の藤原家のことをテレビは教えてほしい。池上さんは何をしてる。

あと、少子化って支配層からみれば領民百姓が土地を捨てて逃げ出してるのと構造が同じ。少子化問題が労働力人口の減少とか国力の低下というような側面のみからしか議論されないなら、今後もまったく改善しないだろうと思う。

0 件のコメント:

コメントを投稿