長澤まさみ 「クロスファイア」（2000）

長澤まさみが2000年1月に東宝シンデレラグランプリに輝いてからわずか1ヵ月後にクランクインした「クロスファイア」（2000 東宝・TBS）を、じつに10数年ぶりに見返した。映画を映画館でみることがほとんどない自分でも、有楽町マリオンまで見に行ったという懐かしい作品。

この作品こそが日本を代表する美人女優・長澤まさみ（当時12歳）の映画デビュー作。
一緒に見に行った友人との帰り道、ひたすら「長澤まさみ、カワイイ！」としか言ってなかったｗ つまり、自分は16年間まさみオタｗ

主演は当時21歳で清純派人気女優の階段を駆け上がっていた矢田亜希子。暗くて地味で固いヒロインを演じた。
矢田は今でも女優を続けているが、この人を見ていると、女優にとって結婚がいかに難しく重要な関門かとつくづく思う。

旦那が収監されるって、本人に非はなくとも致命的にイメージダウン。それに、今見るとそれほどキレイでもかわいいわけでもない。

そして当時24歳の伊藤英明が共演。小学生から中学生になろうという春休みのまさみは、伊藤を心で「おじさん」と呼んでいた！酷いｗ　まさみは後にCMと「WOOD JOB!」で伊藤と再び共演。

この映画、なんでそんな長い間一度も見ずに、ブログに感想も書かずに放置してたかというと、内容がまるで少年マンガ的でくだらなかったから。今見返して、やっぱりくだらない。
原作はこの当時から大人気作家だった宮部みゆきだが、自分は宮部をほとんど読んだことがない。この映画のおかげで宮部をなめてるかもしれない。他の作品はきっと面白いんだと思うが。

90年代、日本人は多くの少年凶悪事件に怒り狂ってた。凶悪犯罪者は正義の超能力者が懲らしめてくれたらなあ…って、世間の多くの人々の秘めた気持ちを映像化してくれた作品。

この映画化はガメラシリーズという傑作を世に放った金子修介カントクによる監督・脚本作だが、どう見ても小学生中高生男子が見て楽しむような、仮面ライダーとか戦隊ヒーローもののような作品。

開始数分間のあまりに分かりやすい安い映像は学生の作った映画のようだった。画質もすでに古さを感じる。あまり期待して見てはいけない。

犯人目線のハンディカムストーカー映像に「ハァ…ハァ…ハァ…」という声が入っていて分かり安すぎる単純さ。異常に凶悪な少年たちが被害者少女をなぶり殺し。

わかりやすすぎる嫌～な人権派弁護士、わかりやすいテンションの高いレポーター記者。駐車禁止なのに車をとめたってだけで燃やされる車。見ていられない。恥ずかしくて。
それに、BGMもぜんぜん好きじゃない。燃えてる車ごとガソリンスタンドに飛び込むなよ。迷惑。

映画開始27分過ぎになってようやく長澤まさみ12歳登場！ただ遠景をぼーっと見ているだけの演技。
この映画、まさみ出演シーンがわりと多い。なんとまさみは超能力者。モノを触ればすべてが見える！そして炎を操る。

そうだ、まさみ！紅蓮の炎で社会のクズどもを焼け！燃やしてしまえ！という役どころ。正義の心のあるゴジラ。大魔神かもしれん。シン・ゴジラの庵野カントクならもっとはるかに面白くできただろうな。

なにしろ12歳で演技初挑戦の長澤まさみが天使すぎる。体型もまだこども。声も喋り方も今とまったく違うし、聴き取りにくい！それに、目をしょぼしょぼさせすぎ！ｗ

この映画で大御所・桃井かおり刑事と初共演。桃井とは数ヶ月後「秘密」で母娘役の再共演。
桃井の相棒刑事役の原田龍二って俳優、最近あんまり見ることないけど、時代劇や2時間ドラマで活躍してるみたい。

この映画は吉沢悠にとっても映画初出演作。以来ずっとまさみとの共演がなかったのだが、「アイアムアヒーロー」で実に15年ぶりの共演を果たした。

惨殺される伊藤の妹・浜丘麻矢がなつかしすぎた。調べてみたら今でも女優を続けているらしい。
矢田をキャッチセールスする通りすがりのチンピラが宮迫！宮迫の迫真の演技！ｗ

あと、スナイパー役で谷原章介が出てたって初めて知った。まさみと谷原は「ブランチ」とかでしれっと会ってるけど、このふたりもこんな昔から共演していた！一緒のシーンはないけど。

「クロスファイア」を今見返してもあんまりいいことないけど、12歳まさみの天使っぷりは感動的ですらある。