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2016年11月5日土曜日

舘野泉 「タピオラ幻景」(2005)

クラシックCD記事は↑に移転しました。

誰もクラシックに興味を示さないようなのでw 今回がこちらでとりあげる最後のクラシックCD記事。
舘野泉 タピオラ幻景 左手のためのピアノ作品集2(2005 avex CLASSICS)というHybrid SACDを手に入れた。
なんとTSUTAYAレンタル落ちで50円w この盤面の状態の良さだとこの10年間、ほんの数回も借りられてないんじゃないか。即救出しレジへ。

舘野泉(1936-)は日本のクラシック・ピアノ界において一線で活躍してきたフィンランド在住の大ベテラン。2002年にヘルシンキでのリサイタル中に脳溢血で倒れ、以来右半身が麻痺。
その後、懸命のリハビリ。そして、左手のために書かれたピアノ作品に活路を見出しピアノ活動を再開。そのことは日本のメディアでも大きく取り上げられた。

このCDはそんな時期に録音された復帰第2作。吉松、タカーチュ、ノルドグレン、モンポウといった作曲家による「左手のためのピアノ作品」のみを取り上げている。

吉松隆(1953-)はとても有名な作曲家でCDも多いのだが、自分にとってはこれが初めての吉松作品のCD。フィンランドの森をイメージしたタピオラ幻景 op.92という作品は舘野からの依頼で作曲され、舘野に献呈された。

1.光のヴィネット 2.森のジーグ 3.水のパヴァーヌ 4.鳥たちのコンマ 5.風のトッカータ 
の5曲からなる20分ほどの曲。
それほど現代曲っぽくない。誰でも無理なく集中して耳を傾けられるような美しい曲。充実した内容で満足度が高い。舘野氏でしかなしえない演奏。

イェネー・タカーチュ(Takács Jenő 1902-2005)のトッカータとフーガ op.56(1951)を聴く。7分半ほどの曲。
タカーチュはハンガリー系オーストリア人。戦前にエジプトやフィリピンで教鞭をとっていた。戦後は社会主義ハンガリーを離れシンシナティで教職にあった。享年103歳!
このCDのおかげで初めてタカーチュの作品に接することができた。キリリと締まったバッハを想わせる作風。この作品も満足度が高い。

ペール・ヘンリク・ノルドグレン(Pehr Henrik Nordgren 1944- 2008)の小泉八雲の怪談によるバラードⅡop.127「振袖火事」「衝立の女」「忠五郎の話」の3曲を聴く。
70年代に日本への留学経験があるフィンランドの作曲家ノルドグレンは舘野と以前から親交があった。この曲も舘野の依頼で左手のために作曲され舘野に献呈。

怪談とはいっても不気味要素はあまりない。幻想的で美しい。それほど現代曲を感じさせない。この曲もじっくり耳を傾けられるクオリティ。

最後にカタルーニャ・バルセロナ出身の作曲家フェデリコ・モンポウ(Federico Mompou 1893-1987)によるプレリュード第6番を聴く。モンポウに左手のためのピアノ曲があったとは知らなかった。
カタロニアの風土の臭いも感じるけど内省的で繊細。さすがピアノの詩人という作品。これからはもっとモンポウの作品を聴くべきだと思う。

どの楽曲も、演奏も素晴らしかった。

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