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2016年9月1日木曜日

横溝正史 「悪魔の家」

横溝正史の「悪魔の家」(角川文庫)を手に入れた。昭和54年の第7刷だが、まるで新品のように状態がいい。108円でゲット。

なに、このヘンテコイラスト!びっくりハウスかっ!
横溝正史オタはこの杉本一文のイラスト表紙のものを好むらしい。

ヘンテコ絵だからこそのジャケ買いかもしれない。いや~、自分も趣味が悪いw

横溝正史が肺の病から回復した昭和13年から昭和15年の間、雑誌に掲載された短編7本からなる1冊。
  1. 広告面の女 (新青年 昭和13年1月)
  2. 悪魔の家 (富士 昭和13年5月)
  3. 一週間 (新青年 昭和13年6月)
  4. 薔薇王 (新青年 昭和14年4月、5月)
  5. 黒衣の人 (婦人倶楽部 昭和14年4月)
  6. 嵐の道化師 (富士 増刊 昭和14年10月)
  7. 湖畔 (モダン日本 昭和15年7月)
7本すべて非金田一モノ。7.を除いてすべて東京が舞台。

朝鮮帰りの男、満州のおじさん、哀れなせむしの弟、召集令状といった戦前ならではの登場人物やワードも出てくる。いかにも戦前の大衆娯楽小説。

「一週間」はあまり横溝正史っぽくない。松本清張の社会派サスペンス短編のような雰囲気もする。
「悪魔の家」「黒衣の人」あたりは短編でもぎゅっと横溝要素が詰まってる。

「薔薇王」は展開が予想できない結婚詐欺話だが、これも動機は横溝的。
「広告面の女」「嵐の道化師」はなにやら江戸川乱歩の臭いもする。

「湖畔」は他とは雰囲気が違う。横溝正史も若くして肺病で死を意識した。そんな経験が活かされ盛り込まれた短編。現実的にこんなことが可能かは疑問だが。

東京警視庁捜査一課の等々力警部は出てくる。私立探偵由利先生と新聞記者三津木という人がちょこっと顔を出すものが何本かある。短編なのでそれほど活躍しているようには感じなかった。最後の重要な局面で顔を出して謎解きを示す。

1話1時間ほどで気軽に読めてヒマつぶしに最適。どれも1時間ドラマのネタには出来そうな感じだが、ぶっちゃけどれも読み終わった後の驚きや満足度はそれほど高くない。

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