1990年代につくられたロシア・トイカメ GOMZ-LOMO SMENA 35(CMEHA 35)を108円でジャンク箱から拾い上げた。
LOMO製品にはあんまり興味がなかったのだが、なんとこのカメラは絞りが5段階、シャッター速度がバルブを含めて6速選べるという、トイカメにしては硬派で真面目につきあえるカメラ。セルフコッキングでないので注意しないと多重露光になってしまうのだが、それはそれで多様な使いかたができそうだ。フィルムカメラの基礎が学べそうだ。
108円なので自分で修理して写真を撮ってみて話のタネにしようって連れ帰った。
このカメラは日本でも大量に存在するチープなプラスチックトイカメ。ボディはとにかく作りが粗い。
自分が手に入れた個体はシャッターが正常に動いていないようなので、レンズ前面の飾り板をはがして様子を見てみる。
1/60以下のスローも1/125も1/250もみんなシャッター速度が同じように思えるし、B(バルブ)を選ぶとシャッターから指を離しても引っかかったままになるっていう…。
何度もシャッターを切ってみて原因を探る。このカメラのシャッター機構はトイカメにしては真面目でしっかりした作り。レンズもなかなか立派。
8時の位置にある金属部品が干渉して引っかかっていた。
これ、盲腸みたいでとくに必要性を感じなかったのでニッパーで切断してやろうかと思った。だが、質量が変わるとシャッター速度に影響が出そうだったので、他の部品と干渉しないようにラジオペンチでぐいっと水平にしてやった。たぶんこれで上手くいくのでは?
あと、右側の多くのスペースを占めるスローガバナーも一回外してみる。
どうやら本来あるべき位置からピンの先端がはずれてるっぽいのも直した。このカメラ、最初から不良だったのではないか?
シャッターを何度も切ってみた。もう、何も問題なさそうだ。Bも上手く作動する。
レンズを取り外してしまったので自力で調整する。自分がいつも使うCDケースを切り取ってコンビニ袋を貼り付けた簡易すりガラスで、無限遠にピッタリあってる位置で固定。最短距離にしてもだいたい合ってる状態なのを確認して組み立て。
いちおう光センサーを使ってシャッター速度の精度を測定。
スロー部はわりと正確だったのだが、1/250が約1/180、1/125が1/90ほどしか出ていない。
ま、そこはトイカメ精度。これ以上こだわってもしかたないのでそのまま。ネガフィルムしか使わないわけだし、撮影のときにそのことだけ頭の片隅で覚えていればいいかと。
ではいつものようにテスト。今回は手元にこれしかなかったので、Kodak GOLD200を使用。
ええぇっ?!何、ちゃんと撮れるカメラじゃん!びっくり。近距離の撮影でもピントが合ってくれた。
3月の暗い曇りの午後に撮影。こういう写真がいかにもスメナなのかもしれない。
これは散歩に適した楽しいカメラだ。ロシアンレンズをナメてた。
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