2016年8月5日金曜日

司馬遼太郎 「城塞」(全3巻)を読む

司馬遼太郎の「城塞」は「大坂の陣」を扱った大作。東アジア最大の城塞「大坂城」の落城を描く。

1年ほど前に新潮文庫版の中巻と下巻のみを108円で手に入れて、それからずっと上巻を探していたのだがなかなか見つからず、ようやく108円で3冊そろったので読み始めた。「真田丸」が終わる頃に読み終わればいいかなぐらいに思ってた。

秀忠が江戸で将軍職にあり家康は駿府で隠居生活しているころ、豊臣秀頼の嫡子・国松が生まれたころから書き始める。

秀吉は家康を大切に扱ったというのに、秀吉の死後、家康は豊臣家を呪うがごとく極悪非道のかぎりを尽くす。
「大坂の陣」は日本史上最悪のイジメ事件。司馬も「犯罪」と言い切る。

まず上巻

いつもの司馬らしく、武芸者の中年男・小幡勘兵衛(本多正純が大坂に送ったスパイ)と若い女・お夏(大蔵卿局の孫娘)を登場させてラブコメ要素を盛るw

家康は嫌がらせの天才。効果的な嫌がらせの教科書のようだった。

豊臣秀吉もやってきたことは極悪非道なので呪われていいけど、徳川家と本多正純、金地院崇伝…、こいつらも呪われていい。
秀吉を供養するためと称して方広寺に大坂城の多大な金銀を浪費させた後に、阿弥陀が峰の秀吉墓所を完全破壊w やってることがデタラメすぎ。墓まであばくとか、こいつら日本人じゃない!

家康を前にした前田利長の自己保身への必死さは悲哀。
そして、豊臣徳川間のパシリ片桐且元が悲哀。豊臣家のためにここまで奔走しておいてすべてムダ!

大坂と関東の手切れで中巻へ。大坂城へとぞくぞくと集まる大名クラスの牢人たち列伝。
真田幸村、明石全登、後藤基次、毛利勝永、長宗我部盛親、みんな運がなかった半生。

総大将を決められないという絶望的機能不全。真田の有望な戦術提案もつぶされる。
武将たちと淀との唯一の連絡チャンネル大野治長が何も決められない!政略と軍略がまったくわからない女たちが現場に口を出す!ダメだこりゃ。

冬の陣では戦闘の様子はそれほど書かれていない。この本では人当たりの良い悪魔・家康の策略が中心。
冬の陣の後に、濠が埋められるのだが、このへんのやりとりが酷すぎるw まるでコント。

大阪城は淀と大蔵卿局のおんな政権だったのだが、あっという間にズルズルと崖っぷちw
家康のやってる酷い仕打ちに対して抗議をしても、結局優しい笑顔に騙され続ける。

それはまるで乃木坂人狼において、投票行動などは一切目に入らず、人狼(みなみ)の可愛らしさしか見えていなかった市民(まいまい、ひなちま)を見ているかのようだった。

この本を読んで得た教訓は、這い上がれなくなるような不利なポジションに自分を置くな!ってこと。この一点に関しては絶対に妥協してはいけない。
そして、誠意のない対応をし続ける相手とは交渉を続けてはいけない。早めに見切りをつけて別の手段に出たほうがいい。

下巻、大坂城炎上。
司馬の筆は家康と淀に容赦なく辛辣。

老人家康の性格の悪さは異常。
淀のヒステリーと無知と他人の気持ちのわからなさも異常。この本ではバカとしか描かれていない。
絶対に家康や淀のような上司の元で働いてはいけない。

最大の戦犯は淀で間違いない。さて、真田丸ではどう描かれるのか。
大河ヒロインのはずのまさみの出演シーンが少ない…。

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