2016年8月22日月曜日

米澤穂信 「追想五断章」(2009)

米澤穂信に連続トライ中で7作目、今回は「追想五断章」。2008年に小説すばるに連載されたもの。2009年の集英社の単行本。
いつものように108円で拾ってきた本。

今まで読んできた米澤穂信は、主人公が15歳というラノベ青春小説っぽい作品だった。今回の主人公は21歳ぐらいの青年。

この青年がリアルにつらい境遇。父の死、老いた母、学費が続かず大学を休学、叔父の古本屋に居候、バイト…。生きてるだけでいろんなことがつらい。暗い。

亡くなった父の短編小説を探してほしいという若い女性の依頼人に代って、関係者だけが持っている同人誌なんかを捜し求めていく。

父の残した5編の小説を読み解くことで、20年前に欧州で不審死した母と父の謎に迫っていく…ってストーリー。
なんか、松本清張っぽくもある。

自分があまり読んだことのないタイプの本だった。よくあるようなミステリーと違う。ちょっと上手く説明できないような味わい深い本だった。

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