2008年の秋にWOWOWで放送された「藤子・F・不二雄のパラレル・スペース」の第1話「値ぶみカメラ」を放送されたとき以来ぶりに見返した。これ、もっと最近だったように錯覚してたけど、もうそんなに前の作品なんだな。まさみ21歳のときの出演作。
スチャダラパーBOSEが演じる未来人(?)がヒロイン竹子の古道具屋に持ち込んだ「値ぶみカメラ」は人間にも使える…という藤子不二雄らしいSFストーリーだが、これ、何も知らないで見ると誰もがびっくりすると思う。何じゃこりゃ?!って。
このドラマ、まさみファンの箭内道彦が監督した作品なのだが、放送当時から賛否両論。マンガ原作の登場人物たちの衣装、髪型、ポーズ、表情、動きをギクシャクするほどまでに完全忠実に再現。このような原作原理主義的な映像化作品は今までなかったのではないか?
ま、CMプランナーならではの実験的な企画ドラマ。確かに新しいけど、賛否の「否」のほうが圧倒的に多い気がする。
ケイン・コスギ演じる若くハンサムで金持ちの実業家からプロポーズされるシーンでは、まさみが台本のト書きまでもそのまま喋ってる。出演者たちがみんな棒演技。ある意味で歌舞伎のような大げさなポーズと表情でドラマが進行。
最終的にまさみが選ぶ宇達という貧乏で小太りの男を演じた俳優だけが名前が分からなかったのだが、この人はヨーロッパ企画の人らしい。
登場人物の言動がかなり古く感じるが、藤子・F・不二雄がこの作品を発表したのは1981年。「カメラマンにでもなろうっていうの?女のくせに!」とか、「女の幸せは結婚相手で決まる」と説く母親(渡辺えり)、「好きな人と結婚しなさい」と云う着物姿でちょび髭の気弱な父親(安齋肇)を見てるともっと昔、60年代、70年代な気がしていた。
藤子・F・不二雄の作品には落語の影響を強く感じる。ドラえもんの「ジャイアンリサイタル」は「寝床」だし、この「値ぶみカメラ」には「火焔太鼓」のシーンが出てくる。
そして藤子・F・不二雄のカメラ愛。「新型のインスタマチック?」(まさみ)、自分はここ数年古いカメラをいじくり倒している今だからこそ理解できる台詞だ。
ドラマ自体は原作が短編なので、箭内作詞作曲の「タイムマシン」なる曲をまさみに歌わせた映像を合わせて17分ほどで終わる。このまさみの歌唱シーンは当時からまさみオタにとって宝というべき映像だったのだが、おそらく1発撮りに違いないグダグダすぎるテイク。
あとは出演者たちのインタビューも交えてエピローグをつけて30分番組にしている。まさみは「ちゃんと人を見る目を養えるようになりなさいって、言われている気がしました」と語っている。どうかその言葉をずっと忘れないでいてほしい。
藤子・F・不二雄のパラレル・スペースはDVD化されているようだが自分は現物を一度も見たことがない。
PS. 長澤まさみのWOWOWの新CMがスタートした。まさみがWOWOWのCMをするのは2回目じゃなかったかな。メガネ店をふらっと訪れるまさみのセレブオーラ!いつもあんなキレイなマダムみたいな感じなんだろうか。
まさみ様のWOWOW新CM出演が発表されましたね。素晴らしいタイミング!
返信削除確かに実験的ドラマですが、楽しく見ました。まさみ嬢が歌う「タイムマシン」の愛らしさよ。数年後の風とロックイベントで生で聞けた人々うらやましいです。
宇達さん役はヨーロッパ企画の諏訪雅さんですかね。曲がれ!スプーンにも出てて、これまた風とロック誌の同映画特集にてまさみ様からいじられて(喜んで)ました。
箭内さんをまさみファンと言い切っちゃいますか。まぁ、そうか。
WOWOWの件、追記しときました。
返信削除曲がれスプーンは何年も見てないなあ。
箭内道彦って自分でまさみファンって言ってなかったっけ?!
最近、どこで読んだか思い出せないけど、「長澤こよみ」を作ったとき、「お母さんがすごく喜んでくれた。自分も嬉しかった。だって、まさみちゃんの魅力を一番知ってるのはお母さんだから」みたいなこと言ってるの見て、箭内さんに一目置くようになった。
追記、ありがとうございます!
返信削除ファンは自称だったのですね、確かに言ってそう。こよみのお話、私もどこかで読んだ記憶があります。それがなくとも、箭内氏のまさみちゃんを撮る手腕には大きな信頼がありますが…歓びの種CM、ラブソングMVにこよみ等々。次のお仕事(未定)も楽しみです。