2015年10月2日金曜日

ルパン三世(2014)

小栗旬の主演でモンキーパンチ作「ルパン三世」を映画化するという話を聞いたとき、誰しもがなんと無謀なチャレンジ…、って絶句したかと思う。誰がやっても何か言われるし、きっとバカにされる。

自分もようやく重い腰を上げて見てみた。監督は北村龍平。

まず一番驚いたのが、ルパンと銭形警部がケータイで連絡を取り合っていたことw 今ルパンを撮るなら70年代80年代レトロを撮ったところでどうしょうもない結果になるのは見えている。最新ルパンを作るべきだし、見る側もそれを望んでいる。

この映画、国際色豊かなキャストで撮っている。アニメ版を見ていたときから気になっていた「この人たちは何語で話しているんだろう?」という疑問に答えてくれるような映画だった。主要キャストが声優による日本語吹き替えだった。あえてリップシンクにズレを生じさせて、見る側を香港映画でも見ているかのような感覚にさせている。

おそらく日本人なら誰しもが一度は自分だけのルパンや峰不二子キャストを想像したことがあるだろうと思う。今回の映画化作を見て、小栗旬のルパンと黒木メイサの不二子は今考えうる最適の配役ではなかったかと考える。少なくとも自分は納得できた。

ルパンの持つ人懐こさと軽薄さと爽快さを表現できる配役を30歳前後の日本人俳優から選ぶとして小栗以外に誰がいた?って思った。
微笑みながら歩いてくるCA、「あれ?今の山田優じゃね?」って思ってたら本当に山田優だった。ルパン小栗のニヤケ顔見て、こっちもニヤけた。夫婦共演じゃん!

そして峰不二子。その辺にいそうな生活感を丸出しのっぺり顔の日本人女優では興ざめ。鋭い顔立ちで誰もが一瞬で美人だと納得できて、アクションができて劇画タッチの顔を持つ黒木メイサはまずまず適材ではなかったかと思う。黒木不二子、エロさとかっこよさで十分に合格点。
ルパンの求愛をダンスしながらかわすシーンはどうなの?って思ったけど、マンガアニメの映画化なわけだし、それもアリか。
ややお色気シーンが不足だったように感じた。お約束のツナギのジップアップおっぱい、キャットファイトなど見所はあった。

次元大介の玉山鉄二と、銭形警部の浅野忠信も、他の俳優では考えられないほどぴったりとハマっていて感心した。

まったく現実的でないキャラの石川五右衛門だけは実写だとハードルが高いし、誰がやってもイメージに合う人がいないと思っていた。この映画では綾野剛だったわけだが、殺気漂う目つきは良かったけど、いつも涼しげな感じはなかった。

フィアットで高速道路カーチェイスアクションシーンが考えうる中で悪くないものだったと思う。さすがに車を刀でまっぷたつにすることはなかった。

敵キャラにてっきり加藤雅也だと思っていた俳優がいたのだがこの人はタイの俳優?
不二子と対決する女はてっきり香港あたりのアクション女優かと思っていたら中山由香というモデル女優だった。
大ボスとその秘書はタイ人の俳優のようだ。
マイケルという準主役のライバルで仲間を演じた俳優はてっきり香港の二枚目俳優か?って思っていたら台湾のアイドルグループの人だった。

この映画ではルパン、不二子、次元、五右衛門が初めて出会うころという設定。ま、北村監督ならアクション映画としてのルパンになることは予想がついたし、それでよかったと思う。殴りあって拳銃を撃ち爆発するアクション映画。最高のセキュリティーシステム要塞の中の金庫の宝を奪うルパン。
日テレのテレビ放送用2時間ルパンシリーズに比べれば十分に良い。コミック原作映画にリアリティがあるかないかとかどうでもいい。楽しいものを作る以外にない。

結果、自分はこのルパン三世はあなどれないと思った。カメラの撮る映像が画的にビシッと決まっていた。ひたすらかっこよく見せるこだわりを感じた。正直、面白かった。

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