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2015年10月29日木曜日

ビクトル・エリセ 「ミツバチのささやき」(1973)

ビクトル・エリセ(Victor Erice 1940-)の代表作「みつばちのささやき El espíritu de la colmena」は学生のとき一度見たことがあったのだがずっとその存在を忘れていた。

今年の夏、6月に突然「ミツバチのささやき」「エル・スール」のHDマスター版が再発になった。

このジャケットがもうまるで絵画だ。このアナ・トレントという子役の目が自分に「つぶらな瞳」という言葉の意味を教えてくれた。5歳か6歳ぐらいにしてとてつもなく美人!

こんな映画を作る人はよほどの老巨匠だと思ってたのだがエリセ監督は現在70代でまだ存命中だ。この人はいったい今何を?

映画はスペイン内戦直後、フランコ独裁政権下のスペイン・カスティーリャの小さな村。そのへんの時代背景も気にしながら人生2回目の鑑賞。

村に移動映画館がやってきて、アメリカ映画「フランケンシュタイン」(1931)を見た少女アナと姉イサベルのふたり。「どうして少女は殺されたの?」と質問するアナ。「映画だから誰も死んでない」とイサベル。あとはふたりがひたすら一緒に遊んでる。子どもの内面世界。子どもと精霊。とにかく静寂がつづく映画。

そして寡黙でミツバチのことばかりの父、誰かに手紙を書いて蒸気機関車に手紙を投函する母。負傷した逃亡中の兵士。なんだか説明的なセリフとかほとんど無くて見る側にかなりの集中力が必要な映画。10年ぶりぐらいに見返したのだがまったく内容を覚えていなかった。以前もよく意味がわからなかったが、大人になってから見てもやっぱりわからない。

この一家の住む家がすごい豪邸だなと思った。職業は何?地主階級?そのわりにお手伝いさんが1人しかいない。
スペインの田舎の風景がとにかく絵になる美しさ。すごくシンプルで何もない。畑が日本とはまるで違うと思った。境界もなく延々と遥かかなたにまで続いてる。

懐中時計の出す音に反応するアナを見て、だいたいのことを察する父。この箇所とかすごくいい。どういった演出をすれば子役にここまですばらしい演技をさせることができるのか?

ストーリーを他人に説明するのは難しい。1回は見てもいい作品だが退屈してしまう人もいるかもしれない。

2 件のコメント:

  1. アナは出ていないけれどエリセの「エル・スール」は自分には特別な1本です。

    アナ・トレントには、「みつばち」から3年後に撮った「カラスの飼育」(カンヌ映画祭審査員特別賞)と6年後の「エル・ニド」があります。どちらも「みつばち」より分かり易く少女の無垢な残酷さを描いた作品で、「カラス」はDVDも出ています。
    13歳の超絶美少女ぶりがまぶしい「エル・ニド」。レーザーを持っていますが、なんとかブルーレイで観たいです。
    2011年には東日本大震災に寄せたエリセの原発への異議メッセージ「アナ、3分」がNHKで放映されました。このときアナは45歳。でも相変わらず美しかった。

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  2. アナはその後も女優だったのか。DVDを探すのは難しそうだ。
    震災のときにそんな作品があったとは!これも見るの難しそう。

    実は「エル・スール」も見ました。あとは記事を書くだけ…だけど、ストーリーにちょっと困惑してます…。

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