2015年6月28日日曜日

アンドレイ・タルコフスキー 「ストーカー Сталкер」(1979)

今年に入ってアンドレイ・タルコフスキーАндрей Тарковский
(1932-1986)作品が続々と初ブルーレイ化されていると同時にDVDも再発になっている。

自分がまだ一度も見たことのないソ連製SF映画「ストーカー Сталкер」(1979)をDVDで見てみる。この映画、10代のころからずっと気になっていた。なんと164分。長いけどがんばってみる。

「ゾーン」という立ち入り禁止地域が設定された。何が起こってるのか分からないので立ち入り禁止にした…って冒頭に活字で説明がある。正体不明のゾーンとの未知との遭遇。なんか怖い。

冒頭からこだわりがびしびし感じられる絵画のような映像が続く。なんだかすごい。男が起きだしてどこかへ出かけようとしている。女が止めようとする。この男、ゾーンへ向かうらしい。

ゾーンへ行こうとする人々(作家と教授)をそこへ連れていく人物がスタールケル(ストーカー)と呼ばれている。開始から2時間ちかく3人の中年男が線路と水溜りと泥水の道と廃墟を、監視の目から逃れるように慎重に進む。すごくいい感じの廃墟だな。

ワンカットが異常に長い!中年男の会話を延々と見てるだけ。会話(字幕)から話を推測するしかない。困惑しかない。

ひたすら切迫して焦燥。意味わからなすぎ。泥流のごとき混乱に押し流される。長すぎる。引っ張りすぎる。案内人「ストーカー」のビビリっぷりが異常。なんでそんなに怒られないといけないのか?よくそんな汚い土の場所に横たわれる。

この映画は日本でも公開されているのだが、当時これを見た人はどんな反応だったのか?とてつもない未知の体験ではあったが、最後まで見て何かいいことがあったわけでもない。「で?」っていう…。
とても普通の人にオススメできるような映画じゃない。ただ、映像の持つ力には圧倒される。

2 件のコメント:

  1. ロシアNO1のSF作家ストルガツキー兄弟の原作では、ゾーンは宇宙人の残したゴミ捨て場。通常の常識が通用しない場所。ストーカーは人間の捨てた飴玉に群がるアリみたいなものでしょうか。

    確かに、最近BOOKOFFで、いままで手に入れにくかったタルコフスキー作品をよく見かけます。今年になってから「鏡」をDVDで、「僕の村は戦場だった」をブルーレイで手に入れました。
    「鏡」は監督の自伝的な作品。記憶の断片が交差して、内容の説明できないほど不思議な世界に問答無用で圧倒される。
    「僕の村」は、コンパクトで分かり易い少年斥候兵の悲惨な反戦映画として知られていますが、見返すとまるで美少女な主人公(男の子です)が、大人たちに苛められたり、泥まみれになったり、裸になったり。河、泥の川、井戸、洗髪など・・・水のユラユラ感はいつも通りですが、すごくサデスティックでエロチックな映像に感じました。
    ぜひ探して観てください。

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  2. え、この原作って有名だったんだ…。今回「ストーカー」「サクリファイス」見てちょっと懲りた感があったけど、「鏡」は見てみたい。でも行きつけのTSUTAYAにないんだな。

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