2015年4月24日金曜日

ポアンカレ予想…。「は?」

以前、「ポアンカレ予想」に関する別の本を読んだことがあったのだが、まったく何も掴めなかったw 今度はこれを読んでみた。NHK取材班による「100年の難問はなぜ解けたのか 天才数学者の光と影」(2008)の新潮文庫版。108円で手に入れた。これはNHKの番組だったのだが自分は未視聴。

2006年、アメリカの科学誌「サイエンス」はその年の科学ニュース第1位に「ポアンカレ予想の解決」を選定した。

フランスの天才数学者アンリ・ポアンカレが1904年に発表した著作「位相幾何学への第5の補足」にそれはある。
「単連結な三次元閉多様体は、三次元球面に同相である」
それはこうも言い換えられる。

「宇宙に張りめぐらしたロープがすべて手元に回収できたとすれば、宇宙は丸いと言える」

は?数式で書いても言葉で書いてもまったく意味がわからんw この問題が証明されると人類は宇宙の形を知ることになる…らしい。

2002年の秋、数学の世界ではインターネット上に「ポアンカレ予想の証明」が出ているという話題で持ちきりだったそうだ。サンクトペテルブルク在住の数学者グレゴリー・ペレルマン(当時38歳)という謎の人物が解いたらしい。しかも、その2年前には証明が完成していたらしい。
しかも、フィールズ賞も受賞拒否、クレイ数学研究所の懸賞金100万ドルも受け取り拒否。居場所も不明で誰も会えない。世界をめぐる大ニュースになった。

この本ではペレルマン博士を知る人々にインタビュー。国際数学オリンピックで金メダルをとった天才少年は数学だけでなく物理学でも神童だった。ソ連崩壊後、アメリカに渡る。性格が一変、周囲との関係を絶っていく…。博士に何が起こったのか?

この本では1950年代のトポロジー隆盛から解決までの経緯を追う。60年代にスティーブン・スメールが「五次元より次元の高い宇宙でポアンカレ予想が成立する」ことを証明、80年代にウィリアム・サーストンが「宇宙はどんな形をしていても、最大で8種類の断片から成り立っているはずだ」と予想。サーストンの幾何化予想が証明できればポアンカレ予想も同時に証明できることが判明。90年代、リチャード・ハミルトン「リッチフロー方程式を利用すれば、サーストン予想とポアンカレ予想を証明できる可能性がある」……。

そして2003年、ニューヨークでペレルマン博士による講義。なんと、受講したトポロジーの専門家が講義の内容を理解できない…。つまり誰も合ってるのか間違いがあるのか分からない。

この数十年、数学の天才たちの間でそんなことが起こってたって知る1冊。数式は一切出てこない。だれも理解できないから。数学者ってすげえなって感心するだけの1冊。

ペレルマン博士、今もサンクトペテルブルクに母親と引きこもったまま…。YUIも博士も「注目されたくない…。」って、なぜなのか?

3 件のコメント:

  1. 数学は専門分野なので、一応、問題が何を聞いているのかは理解しているのですが、肝心の証明の内容は全く理解できません。
    数学者をそこまで駆り立てるのは、真理に対する飽くなき欲求だと思うのですが、YUIからも、その欲求は感じることがあります。
    「神様はだれの味方をするんだろう?」
    「いつも単純なほど苦しんで 生きていく意味を知りたいから」
    YUIはいつも心の中にある本当の感情だけを歌にしてくれていましたが、その根底にあるものの一つの側面は、答えは確実に存在するのに、僕たちの身の回りにある、答えの見つからない疑問たちへの葛藤ではないかと思います。
    それらを追い求めるとき、お金も名誉も全く価値のないものになる、その点では、YUIと数学者の間に共通点もなくもないかなと思いました。長々と勝手な考察すみません。

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  2. 「数学者はキノコ狩りの夢を見る/ポアンカレ予想・100年の格闘」という2時間拡大版を観ています。本の元ネタです。これと対になるような「素数の魔力に囚われた人々/リーマン予想・天才たちの150年の戦い」という番組もありました。時々BSプレミアムで再放送されています。CGを駆使した説明はなんかわかったような気持ちにさせてくれました。
    彼らは数学の檻に囚われてしまった人々。「証明」ただ一点に集中した生活と人生。恋も捨て、家族も捨てる。「リーマン予想」の方は未解決のため、殆どインタビューの答えがオカルトのようでした。予想が証明できれば世界や宇宙が変ってしまうのだというマジな発言もありました。だから全てを捧げて机上で、ひたすら穴を掘り続ける。それをロマンと呼んでもいいけど、なんか空しい。
    ペレルマンは不幸にも解決してしまった為、彼の頭の中で世界は変わり・・・彼の人生も終わってしまったのではないでしょうか。
    居直って100万ドル貰って、豪遊でもしてみれば、別の人生が開けていたかもしれないのになあ。

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  3. 入試数学でどう頑張っても8割しか取れなかった自分としては数学がめちゃくちゃできる人ってマジ尊敬。大学教養までわりと数学に執着したけど、身についてない…。昔、サイモン・シン「フェルマーの最終定理」という本にはまって「ポアンカレ予想」「ケプラー予想」「四色問題」と読んでみたけど、そういうことがあったんだ…ってことしかわからなかった。
    数学の世界と同じようにYUIのこともわかるようでわからなかったな…。

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