2014年8月21日木曜日

吉高由里子の場合 その2

なお、「蛇とピアス」という映画についてはプラスアクト 2008 Vol.16 に詳しい。グラビア2ページ、インタビュー2ページのみだが、蜷川監督についてコメントしている。
Yoshitaka_plusact16
映画初出演について
「実を言うと、凄くやりたくてしょうがなかったって、訳じゃなかったんです(苦笑)。なんて言ったらいいんだろう、オーディションのときも〝この役が私にぴったり〟とか、〝私にしか出来ない〟とかそんな感じではなかった。原作が、世代が一緒だから、活字が苦手な私にもさらっと読みやすかったんです。それが今度、映画化されて、監督が蜷川さんだって話を聞いて、興味を抱いたんです。その興味だって、〝この映画に出たい〟というより、〝蜷川さんとお話をしてみたい〟という感じのほうが強かった。ルイという役より、蜷川さんがどんな人なのかっていう興味で、オーディションを受けた結果、こんな事になっちゃったんですよね」
吉高はこの映画に出演したことを「こんな事になっちゃった」と思ってた。で、その責任者蜷川を
「撮影中、一番私のことを考えてくれていたのは蜷川さんだった。私自身が自分の事を考えるより、蜷川さんが私のことを考えてくれたほうがよほど大きかった。それが役者だけにじゃなくて、原作者の方にもほかのスタッフみんなに対しても、蜷川さんは気を使っているように見えました。だから、怖いとか、怒鳴るとか、灰皿を投げるとかよく聞くけど、もし、そんな事をしても、絶対に人は蜷川さんから離れていかないだろうなって思いましたね。そういう人だから、みんなからリスペクトの目線で見られてるんだなって、思いました」
と持ち上げる。演出家がいろんなことに気を遣うのはあたりまえで基本。吉高がいい子すぎて泣けてくる。ここを読むと蜷川さんがマトモに見える。自分を大きく見せようとハッタリかます演出家は消えるべき。芸術家はすべてを超越するとか言うなら自分でセル画でも書いていてほしい。
周囲が自分の思うとおりにならないのなら、それはリーダーの責任。他人に腹をたてるな。

この映画はタトゥーとピアスがテーマだったのだが、そのことに関する吉高のコメント
「全然、やってもいいと思います。舌ピアスだって、撮影前に〝開けます〟と言ったんですけど、〝責任とれないから〟ってお断りされたんです。耳は一個増やしたんですけど、タトゥーはファッションでやるならいいとは思うんですけど、体型管理がなぁ。」(一部省略)
「私は体重の増減が馬みたいに凄いので(笑)、やらないほうがいいと思います。本当に自由に太ったり、痩せたりするんですよ。」「(やるなら)月と太陽が好きなので、たぶんそんな感じのがいいな。ずっと絵を描いているんですよ、月と太陽。それから手や顔。絵を描くのが凄い好きなんです」
一見、タトゥーもピアスも肯定しているようでやんわり完全に否定しているコメントだ。耳は常識的に認めるが、他は認めない。
太ったり痩せたりするとタトゥーがダメなら、多くの人はダサいタトゥーをしていることになる。この国ではタトゥーは「狂ってる」(by 大阪市長)と言われる。ということは、W杯に出てるサッカー選手はみんな「狂ってる」。

「責任とれない」というが、吉高の裸の画像が残ってしまったことへの「責任」は取ったのだろうか。吉高は映画完成後のインタビューでも、映画にもヒロインにも何も共感してなかったことがわかる。
「本当にそのころ、プライベートでも色々あって……。ぼ~っとしていて、自分でも、生きてる実感がなかったんですよ。だから、撮影中は大変というより、呼吸の仕方を忘れそうな一ヶ月間でした。大変っていったら大変だったと思うし、また同じこと出来るかと聞かれたら、出来ないと思う。でも、周りの支えがあったから、一日一日、なんとか乗り越えられたんだなと今は思ってます」
そして、ロッキングオンCUT 2009年10月号、配信携帯ドラマ「婚前特急」で17歳の高校生を演じていたころの吉高インタビュー記事8ページ。
Yoshitaka_cut200910
これまで4年間のキャリアを振り返って
「気付いたら、いっぱいドラマやってた、いっぱい映画やってたって感じですかね。でも、親がどんどん貪欲になっていくんですよね。次あれやれ、これやれって(笑)」

「ほんとに、もう。最初はね、雑誌に出ただけで、すごく喜んでたのに。表紙はまだか、CMはまだか、映画はまだかみたいになって。すごい親がハングリーになって、どないすんねんって(笑)」
かつてICUの中にいる娘を、絶望の悲しみで見つめていた由里子の両親はこんな状態になっていた。現在放送中の朝ドラのヒロインは東京吉高家では毎日が祭りだろう。

そして、「蛇とピアス」公開から1年後ということで再び言及する
「なんかあの頃の自分はすごく生命力が強かったなって思います。そう。熱かった、身体がずっと。なんか違う自分がいたみたいな」

「退院したあとだったから、すごくこう生きるっていう気持ちが強かったんだと思います(笑)。あと、あれはなんかすごい迷惑かけた恩返し的なもので、復帰作っていったらいいんでしょうか。思いっきり、これを神様が超えろって言ってる壁なんだなって思ったんですよ。だから多分わたし、あのときハイだったなと思って。なんか覚めないハイだった、ずっと熱くて」
不安定な精神状態の少女が、おとなたちに乗せられてしまった感じのする映画だった。

4 件のコメント:

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    この映画のオーディションで、自分から服脱いだと聞いた(見た)ことあるような?
    凄くやりたくてしょうがなかったって、訳じゃなかったのに…?
    度胸あるというより、かなり不安定な状態だったのかなぁ

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    そう、決まってから蜷川さんにだけ事前に見せたって。このときの蜷川さんとのやりとりは由里子伝説のひとつ。でも…、朝ドラやるような人気女優になれてよかったよ。

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    あれ?決まってからだったのですか。
    自分から脱いで見せた度胸買われて、決まったのだと勘違いしてました。。。

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    出典は忘れたのですが、他の何かで読んだ記憶だと、「監督のイメージとあまりに違うとマズイ」と由里子が勝手に気を回して、撮影前に見てもらう機会をもうけてもらった→「じゃあ、ワシが」と蜷川さんだけが立ち会って一瞬だけ見てもらった……、って話だったかと。このことはA-Studioという番組に吉高がゲスト出演したときにも鶴瓶師匠が直接蜷川さんに確かめてた。

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