2014年6月11日水曜日

宮崎あおい 「海でのはなし。」(2006)

これを観ると、映画にとって音楽、サウンドトラックがいかに大切かということを思い知らされる。

この映画は東大薬学部卒の放送作家、脚本家、大宮エリーの監督作品だそうだが、大好きなスピッツの名曲でPVのような映画をつくろうと思い立ったのはいいが、映画たりえていないものを作ってしまった。

そこで展開するそこそこヘビーな人間ドラマに音楽がまったく合っていない。スピッツの超名曲がじゃまでしかない。
日本映画を支えてきた名優といっていいふたり、宮崎あおいと西島秀俊の芝居を見ることを妨害しかしていない。
ドラマに集中していると、爽やかな草野マサムネの歌声が聞こえてくる。するとそっちに耳を奪われる。台詞と名曲、どっちにも気をとられる。

スピッツの楽曲がどれも名曲過ぎる。聞き流せない。じゃあPVとして見ればいいのか?っていうとそれも難しい。

宮崎、お父さんが浮気してるかも→実は、お父さんとお母さんは籍を入れてませんでした→私が浮気の子でした→ショック!→いつもそばにいてくれた西島に告白、「抱きしめて」→拒絶→さらなる絶望

西島、妹のように思ってた宮崎から「抱きしめて」と言われる→それ、ムリ→宮崎の女ともだちからも「アンタ、何やってんの?バカなの?」→久しぶりに実家に帰る→母がパチンコ依存症

PVにしてはドラマが濃厚すぎヘビーすぎ。台詞が重要なので聞き入る。ジャカジャカ鳴ってるスピッツの楽曲がじゃまになるという悪循環。ドラマシーンで楽曲がばっつり切られるので、楽曲への愛も感じない。これ、音楽を止めて、役者の芝居だけ見たい人はどうすればいい?

研究室をめちゃくちゃにして寝入ってる西島のCDのイヤホンを耳に当てる宮崎、BGMとして鳴ってるスピッツを口ずさむ。自分にはコントにしか見えなかった。宮崎あおいも西島秀俊も草野マサムネもみんな気の毒。

宮崎あおいが破壊的に可愛いので、宮崎あおい鑑賞の目的は果たせている。宮崎あおい主演作でこれはまだ見てなかったので、つい手にとってしまった。
これ、BGMを差し替えればまだ見れた作品になると思うのだが。

宮崎あおいの演技は特別にすばらしいなって思う。だが、宮崎あおいの映画でよかったと思う作品になかなかめぐり合えない。まだ観てない作品はどれも地雷っぽい。
Miyazakiaoi_umi_1

5 件のコメント:

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    辛口ですね。
    「舟を編む」はもう観ましたか?
    評判良いみたいですよ。
    私も好きな映画です。
    「リトル・フォレスト」も予告を観た印象から、たぶん好きな映画です。

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    確かに辛口だったかもしれん‥。
    次は「舟を編む」を見ようと思っていた。
    「リトル・フォレスト」は「深呼吸の必要」みたいな映画じゃないかと予想してる。

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    失礼しまっす、リトル・フォレストの舞台って…岩手・奥州の内陸なんですね。調べてみると、水谷豊の出てた座敷童のやつもあまちゃんも岩手だったのでその影響もあるのかななんて…最寄り駅は東北本線の前沢駅で山側に行くとあるみたいです。
    流石に…東北の山奥によくありがちな毛細血管みたいな感じの山道ばかりなので、実際に行くのは…あまりおすすめしませんが。
    一関の室根山ではなく、くりこま高原でもなく…いろんな妄想が広がっていたのですが、平泉の先って知るとなんだか親しみがあったりなかったりしています、一関にも知り合いがいるので。。

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    理に適った辛口は良いと思いますよ。
    ドラマシーンで楽曲がばっつり切られる所などは私も同感でしたから。
    「舟を編む」の感想も楽しみにしています。
    「深呼吸の必要」にまさみちゃん出てましたよね。
    うっかり香里奈さん映画と記憶していました。

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    橋本、なぜか岩手での仕事が多い。「座敷わらし」は途中まで見たのだが、まだ見通していない。
    そう、ヤンキー香里奈とこどもまさみの対比が面白い映画。都会から田舎へ来た若者たちがサトウキビを刈るだけの映画。なにも起こらない島での日常。

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