道尾秀介の「龍神の雨」(新潮文庫)で3冊目。これも105円だったので読んでみた。
血のつながらない引きこもり暴力継父への兄と妹の殺意、そこに近所で継母と3人で暮らす兄弟が交互にクロスしてストーリーが進行。
あんまり進展がなくて読んでいて退屈してしまった。暗い現実を生きる人々。これも途中から「早く終われ」とばかりに読むスピードをアップ。読み終わったら売り払ってしまおうと思ってた。
だが、やっぱり終盤は畳み掛けるように意外な展開。物事は見えていることが事実だとは限らない…っていう展開。
巻末に「道尾の飲み友達」というライターが一文を寄せている。これ、読み飛ばすところだったけど、重要なことを教えてくれた。
ずっと龍神の伝説が兄弟の間で語られる。読んでるとき、こんなの無駄だし字数増やすだけって思ってた。だが、スサノオとかヤマタノオロチとか、この小説のメタファーになってた!うーん、小説というものはこれぐらい構成力がないと人気作家になれないって思った。各章で挟まれるラジオニュース原稿も読者に物語のその後の空想を委ねる。やはり道尾秀介は只者ではなかった。
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そろそろ貴志祐介もどうですか。日本有数のエンターティナーですよ。
その割には寡作ですがどれも素晴らしく外れがない。
林眞須美事件に先んじた「黒い家」。映画もヒットしました。
怖さでは日本有数の「天使の囀り」。(怖くも美しいけど蕁麻疹が出そう!)
バーチャル・サバイバル小説の先駆け「クリムゾンの迷宮」(私はこれが一番好き)
日本SFの金字塔「新世界より」。素晴らしいけど厚さも半端じゃない。
「ダークゾーン}は軍艦島を舞台にまさかの人間将棋。切った張ったの第八局が壮絶。
「ガラスのハンマー」に「鍵のかかった部屋」「悪の教典」どれも映像化されました。
最新作「雀蜂」・・・これだけは唯一の愚作です。
ブロガーさんによさそうなのは設定がリアルな「黒い家」でしょうか。
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貴志祐介、名前は知ってる。友人の本棚にあった気がする。
今日、「坂の上の雲」1巻から6巻まで衝動的に買ってしまった。「燃えよ剣」上下巻とその他の本も。夏までに読み終わるかどうか。