「モテキ」映画パンフを手に入れた

この映画は2011年の公開だが、まだまだその影響力を失っていない。鮮烈なイメージを残したままだ。「モテキ」の映画パンフレットをいつものように某古本屋チェーン店で105円で掘り出した。定価600円、劇場でなければ買えなかったものだ。

このパンフ表紙の主要5キャストのうち4人が既婚者で子持ち（予定も含む）。アイドルだけではこの映画は出来なかったが、今見てもまさみだけが天使に見えるな。

この映画が好きなら持ってたい1冊だと感じた。映画の世界をとても詳細に知ることができる。驚きの裏エピソードやら使用楽曲についての知識を得た。

主人公幸世がナタリーに勤めだして最初に取材に行く音楽フェスがTAICOCLUB（長野県こだまの森）、クライマックスシーンはSense of Wonder（茨城県笠間芸術の森）で実際に撮影された。梅雨時期の悪天候と多くの来場者のいる中で、主催者と綿密な打ち合わせによる分刻みの撮影をこなしたスタッフの苦労がしのばれる。

劇中で使用された全28曲のライナーノーツによって多くの事実を知った。

劇中のフェスシーンにワンシーンだけレイ・ハラカミが登場してセリフを発している。大根監督がレイ・ハラカミのファンだったのだ。2011年5月28日に「U-zhaan×rei harakami」として実際に出演していた日に撮影。その後アフレコのために京都から東京へ来てもらったのがレイ・ハラカミが亡くなる1週間前だったという。

幸世がみゆきの部屋でいい感じのときに、彼氏が帰ってきたとパニックになって醜態をさらし全力疾走するシーンで使われたのが「失格」（1993 橘いずみ）。自分はこの曲を知らなかった。この人は2005年に映画監督と結婚、2006年以降は榊いずみとして活動中とのこと。

Perfumeの「Baby cruising Love」のミュージカルシーンはこの映画最大の見所だが、大根監督は松浦亜弥主演ミュージカルの演出をやったことがあるという事実に驚いた。とまあ、ありとあらゆることが解説されている。

松尾みゆき役を演じた長澤まさみのインタビューは1ページのみ。いろいろな場所でこの映画のことは語られているのでほんの少しだけ引用

最初はみゆきと自分は似ていないと思っていたんですが、当て書きだったせか、だんだん似ているところもたくさんあるような気がしてきました。痛いほどみゆきの気持ちをわかることができたから、みゆきに対して愛着はありますね。印象深いのは、幸世がみゆきの家に来て、お互いに思っていたことを初めて言い合うシーンです。あのシーンを演じた時、私の中でもやもやしていたものが、みゆきのもやもやと共に吹き飛んだと思う瞬間があって。私自身も成長させてもらった気がして、思い出深いシーンになりました。

一方、長澤と7年ぶりに再会した森山。「当時はお互い10代だったし、あまり会話を交わさなかった」そうで「どういう感じになっているかな」と思っていたそうだが、撮影初日から大根監督から嫉妬されるほどにフランクに喋れたという。男よりも女子のほうが成長が早い。
まさみはどこかある時点で急速に対人スキルを上げたのは確実。東宝の看板女優としての責任かそれとも……。
10代のころは「同世代の男子と話すのは苦手」って言ってたのに。ずっと苦手でいてほしかった。