ジョン・ケージ(1912-1992)っていうと、「4分33秒」(演奏しているようで実は何も演奏していない)とか「0分00秒」(何をしてもいい)とか、演奏に639年かかるオルガン曲とか、ぶっちぎりの前衛っぷりで多くの人は作曲家とはみなしていなくて、音楽の定義を思いっ切り拡張してしまった思想家と見ているようだ。キノコ栽培と東洋思想の研究をしていた20世紀の奇人。多くのCDがあるけど、一部の曲を除いて誰も聴いてないみたい。またまたこんなヘンテコなCDがそこにあったのでつい手にとってしまった。wergoレーベルのEDITION JOHN CAGE からプリペアド・ピアノのための2曲とSong Books Ⅰ-Ⅱ/ Empty Words Ⅲとその続編?誰一人のレビューすら見つけられなかった。500円だったとはいえ買うほうも買うほうだ。春先に手に入れて5回ほど聴いてみた。
ケージがぼそぼそと不明瞭で聴き取れない低い声で詩のようなもの(マルセル・デュシャンからの手紙など)の断片を朗読しているらしいが、これはデタラメなんだろう。「んもぉ~」と奇声を発する不気味なじいさん。やがてタイピングの音が聴こえてきて歌手たちがそれぞれ勝手にアリアのようなもの(魔笛の夜の女王のアリア)を歌っているのが聞こえてくる。電子変調されたオバケのようなエフェクト。「ニシニシコレコニシ……ニシニシ‥」といった意味不明の呪文のようなものが繰り返される……。なんだこれ?って笑うしかない。ぶっちゃけちょっと笑おうと期待していた。なにがソング・ブックだ!
CDで聴くと何度再生しようが毎回同じように聴こえるが、本来なら演奏されるたびに違うものになるはず。
解説書をがんばって読んでみたけど、楽譜に演奏上の細かい指示が書き込まれているようだがぜんぜん具体的なイメージができない。ピアニストの経歴がまったく不明だが、プリペアド・ピアノの2曲だけは名曲っぽい。6月の曇り空に合っている。
最近は画家としてのケージに関心があって画集が欲しいのだが高くて買えない。
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ドット絵の画家の本を買ったら、白紙の真ん中にドットが1個のページがあって。
作者曰く、「このページはこれでいいと何度編集者に説明して差し戻しても、その都度真っ白に校正した見本が戻ってきた」。
かように前衛芸術と「ゴミ」は区別しにくいようです。
師匠のシェーンベルクをクリムトのジャケに魅かれて定価買いしたため、
元を取ろうと何度聴いても投げ出した私に、直系の弟子のCDなど耐えられるはずがない。
��回も聴いたブロガーさん、尊敬します。
ブックオフ500円コーナーに「マリファナ・ミュージック」なるCDが置いてあり、
「ヘッドフォーンで聴くこと。精神に異常が発生しても一切責任は持たない」との注意書き。
怖くて手が出せなかった私は根性なしです。
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ミニマルとかコンセプチュアルアートとか「え?」って思わせたら勝ちみたいなw
ケージはシェーンベルクの弟子だけど何も師を受け継いでないなw
「浄夜」を除いて新ヴィーン学派はどれもハード。10回ぐらい聴いて慣れればあとはすんなり突破できるかも。意外にロックとか聴いている人は現代音楽や前衛に免疫がある気がするのだが。