2013年5月31日金曜日

スタンリー・キューブリック 「シャイニング」(1980)

Shining
映画史上名作と誉れ高いスタンリー・キューブリックの代表作のひとつ「シャイニング」(1980 ワーナー)を今更ながら初めて見た。最後は「え?!終わり?」って思った。意味がわからん。

たぶんホラーなんだろうなと見始めた。冒頭で延々と美しい渓谷の道路を走る自動車を空撮。一家3人が深い山間の豪華なホテルに冬の間、管理人として暮らすのだが、やがて父親の頭が狂っていって、妻と子どもを斧持って追い駆け回す……という話。

キューブリックらしい映像のこだわりをふんだんに感じた。3人以外誰もいないホテル。迷路の庭。どれも名シーン。だが……、「え、何これ?」ってのが正直なところ。で、あのバーテンとか前管理人とかなんだったの?謎のまま放置が多過ぎ。

ま、世の中で一番怖いのは頭のおかしいおっさん(ジャック・ニコルソンがキレまくり)で間違いない。斧でドアをぶち破るシーンが怖い。
浴室の老婆の死体がグロすぎ。だが、自分は最初からCoccoみたいなお母さんの顔が一番怖かった。ずっとテンパって泣き叫んでる。
一方で子役の少年が天使すぎ。「じぇじぇじぇ!」って顔がおもしろい。

広いホテルを子供がぐるぐると足漕ぎバギーで走り回っている。その姿を後ろから追いかけて撮影しているのだが、その角を曲がるとなにかあるんじゃないかと身構えてた。その間ずっと「現代音楽」が鳴っている。実はこの映画で怖かったもうひとつは音楽だ。現代音楽、最強!どこか「2001年宇宙の旅」の最後を思い出す。

バルトークの「弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽」はすぐわかった。あと、トーンクラスターっぽい不気味な音はたぶんリゲティじゃないかと思って聴いていた。
エンドクレジットでクシシュトフ・ペンデレツキの音楽も使われていると知った。ペンデレツキはまだ知らない曲が多い。ナクソスでわりと安価で手に入るので今後1枚1枚と買い求めてしまうかもしれない。

2 件のコメント:

  1. 川崎鶴見(有)2013年5月31日 17:36

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    スティーブン・キング自身が製作・総指揮・脚本の1997年版「シャイニング」のほうが怖さだけなら半端ない(でもTV映画なので4時間半もある)
    原作はハードカバー2冊。ホテル全体が巨大な悪魔、次々出現する妖怪、助っ人、シックスセンス的超能力 → ほとんどカット。
    キューブリックはアル中オヤジが斧もって狂うだけの映画にしちゃった。
    ニコルソンの怪演!斧持ったパパの鼻の穴といっちゃってる眼ばかり見ていた記憶がある。
    ダニーがバギーで走り回ると双子みたいな姉妹が現れるシーンが一番怖い。
    パパがホテルのバーで幽霊のバーテンダーの注ぐジャック・ダニエルを飲むシーンは
    私的には「映画で最も酒が美味そうに見える」名シーンです。

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    YUIにもスティーブン・キングにもホラーにも映画にも詳しい!
    やっぱ、映画と原作はまったく違うんですねぇ。シャイニングって超能力のこと見ていて意味がわからなかった。

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