タイヨウのうた 映画パンフを手に入れた

映画「タイヨウのうた」劇場公開時のプログラムパンフレット（定価600円）をようやく手に入れた。ブックオフの映画パンフを集めた棚はチェックする気が起こらなくていつもスルーしていたのだが、通り過ぎようとした一瞬、なんとなく黄色い背が見えた気がしたので、「もしや…」と引き出してみると「当たった！」　105円でゲット。なんと巻末に「タイヨウのうた」完成台本まで収録。これさえあればキミも薫と孝治ごっこができる！それにしても、この「タイヨウのうた」ほど特別な映画は他にない。

でもまあ、「タイヨウのうた」は公式フォトブックが2種類あるし、各誌インタビューがとても多いので新たに何かを得たという感じはしない。だが、初めて知ることもいくつか書いてあった。

この映画のルーツは香港にあるらしいことはなんとなんく知られていた。ROBOT映画部の守屋圭一郎プロデューサーのプロダクション・ノーツより引用する

アニタ・ユン主演のイー・トンシン監督「つきせぬ思い」（93）という香港映画のリメイク企画を依頼されていた。母の一座のもとで歌を歌っている少女が、不治の病に冒されながらも、幸福な恋愛を体験する過程を描いたラブストーリー。

おお、このオリジナル作品を今まで調べたことなかった。主演と監督がわかって大きな前進。
そしてプロデューサーはYUIを見つける

いまどきの10代の女の子なのに、影があるとこが気に入ったんですよ。それで実際、本人に会ってみると、もっと強い主体性を感じましたね。わりと、お嬢様っぽいイメージで捉えていたんですが、やっぱり、ものすごくアーティスト。自分の足で立ってる人だなと。（守屋P）

撮影期間は2005年の9月12日から11月4日まで。夏というより秋。朝晩は冷え込んだと想像される。ところで、どうしてこの映画の舞台は鎌倉だったんだろうか？当時25歳だった小泉徳宏監督の言葉を引用

「大学生の時、友だちの劇団を手伝うために、よく鎌倉に通っていて、いい所だなと思っていたんです。海があって、山の方に行けば味のある小道があって、町として魅力がある。横浜という都会にも近いですし。それに昼間は人通りが多いんですが、夜になると急に少なくなるところも、夜を生きている薫の孤独な心情とマッチしている気がして。」

（物語の設定上、撮影はほとんどナイター。こんなに眠れない現場があるのかというほど、撮影はハードだった）

「そんな中で、YUIはたいした度胸で乗り切りましたよ。やっぱり勘がいい子ですね。塚本高史くんとのキスシーンも、プロフェッショナルにこなしていました。それに、岸谷五朗さんや麻木久仁子さんの演技の仕方を、どんどん吸収していくんですよ。さすが表現者だなと」

「観察力がすごくありますね。人をじーっと見てるんですよ、何もしゃべらずに」（小泉監督）

次に塚本高史の証言。YUIと共演してみての感想。

最初はね、つかみどころがないというか、本当に不思議なコで……。でも想像していた以上に、いろいろ考えて行動している人でしたね。自分のやりたいことや表現したいことを曲げなかったりするところは、天才だなと。女のコなんですけど、かっこいいなと思いました。「私はミュージシャンだから、歌のシーンはしっかりやるけど、あとは別にどうでもいい」とかじゃなくて、「演技も含めて、すべてちゃんとやりたい！」というのが伝わってきたし、すごく感性のいいコでした。今回の撮影は、ほとんど順撮りでおこなわれたので、物語の最後に近づくにつれて、本当に女優だなっていう感じでしたね

最後に、薫が孝治を踏み切りで突き飛ばして告白するシーンについてのYUIの言葉だけ引用して終わりたい

告白のシーンの撮影が終わった後、監督が「一歩間違えれば、ストーカーだよね」って、ポツリと言ったんですよ。「今さら、そんなこと言うんですか！？」みたいな（笑）。でも、薫は病気で、ズーっとひとりでいたから、ああいう告白の仕方が失礼だということも、相手がビックリっするっていうことも分からないんです。だから世間知らずだけど、自分の気持ちを素直に表現するっていう、薫のかわいいところが出せたらいいなと思いました。私自身もいざとなったら、薫のような行動に出ちゃうと思うんですよね（笑）。

出ちゃう？！……。出ちゃう……のか…。もう出たのか…。