JAPAN誌を読む層にとってSuperflyはやや異質な存在だと思われるが、「もうロック・シーンはSuperflyを無視できなくなる」と題して、2nd Album Box Emotions が1stを上回る55万枚の大ヒット中の越智にふたたびインタビュー。この直後にROCK IN JAPAN FES.にもSuperflyは登場。自分はこの年のGRASS STAGEでの「My Best Of My Life」がさらにSuperflyにハマっていくきっかけになった。ここではライブ定番のAlright!!が生まれた様子が面白いのでとりあげたい。インタビュアーはおなじみ古河晋。この曲はセッションで生まれたという
そうなんです。これはわりと大変でした。締め切り間際に「BOSS」っていうドラマから3曲ぐらいロックな曲を書き下ろしてほしいって言われて。多保くんが2曲ぐらいまでがんばって書いてくれたんですけど、最後の曲ができない!ってなって。締め切りが次の日だったんですけど夜中12時ぐらいに電話がかかってきて。ちょっと無理だっていうんで「よっしゃ、スタジオ行くぞ!」って、スタジオでドラムとギターだけでセッションしてたんですけど、なかなか出てこなくて。多保くんがタバコ吸いに行くってスタジオ出たんですね。その間に私がギターで適当にフレーズを弾いてたんですよ。で、Aメロを適当に歌ってたら多保くんが戻ってきて「え、それ何?」って反応してくれて。で、多保くんがドラム叩いて途中で交換して。で、〈Na nana…〉のフレーズを彼はどうしても入れたかったらしくて、ふたりのメロディの要素が重なってギリギリでできた楽曲なんですけど。いまのSuperflyの底力みたなものがこの曲には出たし、私も今の底力をぶつけられた詞にもなったと思うし。で、これがけっこう受けいられたので安心しましたギリギリの状況で曲をひねり出す。プロだわ~。そして、越智が自分を表現するようになった高校時代を回想
最初は、認めて欲しかっただけだったと思います。「私、ここにいます」みたいな。疎外感でいっぱいで、みんな思春期には感じることだと思うんですけど。10人ぐらいで話してても、確かに輪の中に私はいるのに、自分だけ30メートルぐらい後ろにいる気がしてたんですよ。いつも、なんでなんやろ?ってソワソワしてて。だから「ここにいまーす!」って自己表現をとにかくしたかったんですけど。たぶん私にとっては、歌で声をだすことがすごくナチュラルな自己表現で。それが好きで快感として歌ってたのが、ある日、友達に「志帆の歌を聴いていると元気が出る」とか「夢を持つってすごくいいね」って言われ始めたんですよ。こんな私でも人に何か感じてもらえるんやと思って。それがすごく勇気に変わったっていうか。じゃあ、もっと上を目指してみようっていう風に変わっていって。それから誰かのために歌いたいっていう風にかわっていったんですよね。それまで「志帆は優しいね」とかってあんまり言われたことがなかったんですよ(笑)。あんまりいい奴じゃなかったんでしょうけど、これと言って特徴がないっていうか、普通だったんですよ。それがもうすっごい嫌で。でもずーっと頭の片隅に、ステージに立つ自分はいましたね。そういう風になるような気がするみたいな。どうやってなるのかよくわかんなかったですけど。逆にどっかの企業に勤めるとか、そういうのが全く想像できなくて。っていうか役に立たないだろうなって思ってました(笑)
「普通」だった少女が1万人規模の会場でツアーをするようになる……夢のような話だ。感慨深い。この年の夏以降、ウッドストック40周年イベント出演、Box Emotionsツアー、初武道館と快進撃が続く。
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