1冊450円で全巻買い揃えてから読み始めるというチャレンジだった。これを読んでいる時期がずっと体調が悪くつらかった。
教科書に書いてあることが歴史でしょ?歴史って暗記科目でしょ?って思ってた自分に、歴史を教えてくれたのは松本清張だった。自分にとって松本清張は推理作家というよりは歴史を教えてくれた先生。
今回、自分は「2.26事件」のことが知りたくてこれを読み始めたのだが、なんの知識もなくいきなり全9巻の「昭和史発掘」は正直キツかった。だが多くのことを学んだし、自分の持っていた「戦前」のイメージを大きく覆してくれた。
家が貧しく小学校しか出れなかった清張は「エリートたち」を徹底的に追及する。膨大な資料を読み解く。「昭和史発掘」は謀略やスパイ、政治家、学者、文学、宗教、様々なテーマを扱ったが、結局この本で描きたかったのは「陸軍」という組織のことだ。
第5巻に入ったとたんに、読んでいて全然内容が頭に入ってこなくなったが6巻から再び読みやすくなる。ず~っと陸軍という組織の内部に留まる。
ず~っと一次資料からの引用が多く、ずっと古めかしいカタカナの文章を読むハメになる。人事の話とか「もういいよ!」って思ったけど、組織って結局それのみ。軍の経験がある世代には当然のことでも、軍の階級とか役職とかまったくイメージできなくて困惑した。
あまりに登場人物が多くて誰が誰だかわからなくなってくる。1回読み通しただけでは身に付いていないと思う。これからも折りを見て読み返さないといけないだろう。
「2.26事件」の項を読んでまず思ったのが、このイっちゃってる青年将校たち(みんな20代30代!)を国民はほとんど誰も支持してなかったってことが意外だった。戦前ってみんな熱狂的ファシストだったから戦争に突入したってイメージは間違ってた。
陸軍の「統制派」「皇道派」の熾烈な争いは、この事件によって「皇道派」が一掃され「粛軍」が進むのだが、それは新たな独裁の始まりで、政治、財界、国民を脅し戦争へ突入していくことになる……。
それにしても細かいことまでしつこく念入りに「2.26事件」の登場人物とエピソード、名場面を多方面から解析。行政上のこととか法理学的なこととかちんぷんかんぷんなままだった。この半年でずいぶんとこの時代の「軍人」たちの名前を知った。
「2.26事件」の裁判は特設軍法会議っていうやつで、国民にはまったく知らされていない。えぇぇ……。どんな裁判が行われたのか不明。裁判官と判事たちも陸軍の意向で動いていて、弁護士なしの一審制「暗黒裁判」。
17名に死刑判決。予審調書や資料の多くは終戦時焼却処分された。それでも事件のあらましは各方面の資料をつき合わせて見えてくる。首魁・磯部浅一の獄中手記と看守の証言によって詳しいこともわかっている。
真崎甚三郎という人物はそうとう問題がある。どうしてこういう人物が偉い位置にいるのかよくわからない。責任を追及されると声を荒げるだけ。後のマレーの虎・山下奉文も清張は徹底的にこき下ろしている。
真崎は判決理由と主文がまったく合っていない強引な無罪判決。北、西田はその逆の強引な死刑判決。
「2.26事件」を大河ドラマでやってくれ!って思ってたけど、主演キャストをイケメンで押さえたとしても誰も同情できないからムリ。戦国武将も「人殺し」なのは同じだと思うけど。
巻末の解説を読んで、この巨人による仕事は藤井康栄という文芸春秋の女性編集者(当時30歳)の存在がなければなしえなかったという事を知った。この人は後の清張記念館館長だ。
軍隊に入らなくていい時代になってよかった。が、今も大学の体育会系やほとんどの会社に「軍」は残っている。はやくなくなってしまえ!
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よく読めましたね~わたくしは カラマーゾフの兄弟を8ヶ月
かかって、読み終えました。
時間がかかり過ぎると記憶が
飛んで、面白くありませんよね
。。。そんなことより。。。。
7ぴあ(TAKEFREE) のYUI。。
激しくかわYUIです。。これがただなんて
お得すぎる。。これ、中国・九州版なので
ブロガ-さんはゲット出来ないのですかね。。。。?。だったら、むごすぎる。。
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あんまり長いと途中で飽きてきちゃいますよね~
7ぴあは全国各地のセブンイレブンで手に入りますよ~。もちろん速攻ゲットしました。セブンがない四国のYUIファンだけが入手が難しいでしょう。
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三冊貰ってました自分。写真綺麗に写ってますよね
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タダってステキ。しかも写真の質が高い!