だが、数年前に「日本の黒い霧」「清張通史」を読んでハマった。以来、多くの影響を受けている。歴史学としての評価は知らない。ただ、読んでいて面白い。
だが、推理作家としての作品は短編集のほうが好き。経済犯罪的な作品にあまり興味を持てない。
「疑惑」文芸春秋社(1982)の文庫本を250円で買ってきた。
過去に何度か映像作品化されているらしいのだが、まったく観ていない。これも短編といいボリュームで手ごろ。内容もそれほど濃密でもなかった。状況証拠から絶体絶命の状況の、保険金殺人容疑をかけられたホステスを救う弁護士の話。最後がちょっとブラック。星2.5 ぐらいの評価。
実は、この本を買った理由はもう1篇「不運な名前 ― 藤田組贋札事件」を読みたかったから。
北海道樺戸郡に月形町という小さな町がある。ここに明治14年に日本で3番目の集治監が建てられた。初代典獄の月形潔という人物の名前をとって月形町となった。
明治期の政治犯・重罪犯が収容されて北海道開拓に動員された。大正年間に廃止されて現在では行刑資料館になっている。ここにたまたま集まった3人の見知らぬ男女が、「藤田組の贋札事件」の犯人にされた熊坂長庵の書いた仏画を前に、明治政府の紙幣印刷と真犯人について推理をめぐらす話。
ここに登場するライターと若い女が語る内容が清張の考えるこの事件の真相。王子に印刷局があるが一度も入ったことはない。数年前に札沼線の終点まで完乗したが月形では降りなかった。そんなこんなでこの本がちょっと気になっていたので読んでみた。そして、
以前から「読もう!」と思っていた「昭和史発掘」(新装版)全9巻 文春文庫 をオトナ買い!すべて1冊450円でブックオフを3件ぐらい回って手に入れた。そんなに安くないけど。
「2.26事件」のことを読みたかった。この夏1巻から読んでいく。
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