市川準が亡くなって4度目の春を迎えている。まだ観ていない市川作品があった。村上春樹の短編をイッセー尾形と宮沢りえの主演で映像化した「トニー滝谷」(2004)だ。
自分にとって村上春樹という作家は日本2大「どこがいいのかわからない作家」の1人で、内容がない退屈な作品なのではないか?と長年、見るのをためらっていた作品だった。
しかしそこは市川準。きっと美しい映像作品になっているに違いないと思ってた。
観始めてすぐに、あまりに実験的な作品で口あんぐり。舞台の場面転換のように、絵巻物のように、主人公のこれまでの半生を、父親の代から横スクロールで振り返る。
役者たちが台詞のト書きを言う。グレーな画面。ずっと西島秀俊のナレーションで物語を追っていかなくてはならない。
イッセー尾形も宮沢りえも一人二役。何これ!?主人公が久しぶりに父親と会って分かれるシーンの空間の撮り方とか、何これ!?
底知れない人間の孤独。どんな人間も逃れられない。なるべくそんなことは気にしないように、鈍感になって生きていくだけだ。
市川の映像と脚本、イッセーと宮沢の演技がすばらしい。あと、坂本龍一の音楽。ただ、やはり物語に内容があるのかどうか、それはわからない。
SECRET: 0
返信削除PASS:
初めまして。以前からこのブログを拝見させていただきました。
僕はYUIファンでありながら、同時に村上春樹さんも大好きなので、少しがっくりしました(^_^;)
長編は「海辺のカフカ」とか「ダンス・ダンス・ダンス」
短編でいえば「中国行きのスロウ・ボート」や「東京奇譚集」などが好きです。
春樹さんは人によって好き嫌いがとみに分かれる人ですよね。
作品にはたくさんの音楽が出てきていてスガシカオさんの曲もでてきたりしてますよ。
SECRET: 0
返信削除PASS:
申し訳ない。酷評のような印象を持たれたかもわからないが、まだ自分には理解できないことが多すぎる作家だと。「カフカ」は途中で投げ出したままになっている。食わず嫌いになっているので今後また代表作はチェックしていきたいと思っています。
SECRET: 0
返信削除PASS:
村上春樹は、「日本で1番売れてるけど、日本で1番読まれていない作家」だと僕は思ってます。
まあ読んだ人それぞれの感想で良い、てことなのかもしれないですけどね。
��世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」と「もし僕らのことばがウィスキーであったなら」がオススメです。
��カフカ」読むなら、 「フィッツジェラルド」や「レイモンド・チャンドラー」のが面白いですよ。
SECRET: 0
返信削除PASS:
あら、TIWさんも村上春樹読むんですね。実は次はまだ読んでいない1Q84にしようかと思ってたんですが‥。ハードボイルドっていうジャンルはまだ読んだことないです。
SECRET: 0
返信削除PASS:
��世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」は1Q84のように、世界の終りとハードボイルド・ワンダーランドの二つの物語が交差しながら進んでゆく話ですよ。
「海辺のカフカ」もそうですが、春樹さんの長編小説は異なる主人公や第三者からの視点での話が最終的に一つの物語としてできているものが多いです。
また長編小説の中で張り巡らせた多くの複線や謎は結局、回収されたり、明かされたりすることはほとんどないです。
読み始めるのなら短編小説からのほうがおススメです。
それと「村上朝日堂」などの エッセイ集はだれでも楽しめると思います。