2025年5月10日土曜日

殿、利息でござる!(2016)

磯田道史せんせいの「無私の日本人」読んですぐに、この本に収録されている「穀田屋十三郎」を映画化した「殿、利息でござる!」(2016年5月14日公開)を見た。今になってやっと見た。

監督は中村義洋。脚本は中村監督と鈴木謙一。音楽は安川午朗。ナレーションは濱田岳。主演は阿部サダヲ
制作・配給は松竹。東日本放送開局40周年記念作品。東北仙台が舞台の映画はたいてい中村義洋が監督。

原作は歴史の先生が古文書から発掘してきた知られざる物語を硬派に小説にした感じだったのだが、映画は原作にほぼ忠実だがかなり娯楽作寄り。
ビジュアルだと阿部サダヲがかなりフザケてるんだろうと予想していたのだが、今回の阿部サダヲはかなり真面目で控えめ。
明和3年、仙台藩領内の宿場町・吉岡宿は「伝馬役」の賦役が重い負担。藩の直轄領ではないため助成金が支給されない不公平。夜逃げが相次ぐ有様。そんな状況を何とかできないか?と造り酒屋の当主・穀田屋十三郎は代官に訴状を渡そうとするまで追い詰められる。

京から嫁を連れて戻った茶屋・菅原屋篤平治(瑛太)が「死ぬ気か!」と必死の制止。
知恵者の篤平治はあるアイデアを持っていた。吉岡宿有志で銭を出し合い、藩に貸して利息を取り、それを伝馬役にあてることはできないだろうか。
現実的とは到底思われない奇策だったのだが、十三郎は同志集めと銭集めに動き出す。
原作には女性はほとんど登場しなかったのだが、篤平治の妻なつ(山本舞香)と、「しま屋」の女将とき(竹内結子)を登場させ彩を加えている。でないと娯楽映画として画が寂しい。ふたりともしっかり者キャラ。

浅野屋甚内は妻夫木聡。そのキャラはもう悲壮感としか言いようがない。最初見たとき誰かわからなかった。自分の知ってる妻夫木は髪が立った若者役ばかりだったから。

大肝煎の千坂仲内が千葉雄大だったことは意外に思えた。だが、見終わってみたらぴったりだったかもと思えた。
仙台藩の財務担当萱場杢が松田龍平だったことも適切。代官橋本の堀部圭亮も適任。
なおこの映画には郡奉行今泉七三郎役で磯田道史せんせいがワンシーン登場している。
さらに、伊達の殿様役でフィギュアスケートの貴公子・羽生結弦も登場。

主題歌はRCサクセション「上を向いて歩こう」

0 件のコメント:

コメントを投稿