新美南吉「花のき村と盗人たち」(昭和18年 帝國教育會出版部)をほるぷ社名著復刻日本児童文学館(昭和49年)で読む。
新美の昭和18年3月没後(享年29歳)の出版。装画は谷中安規。発売時の定価は一圓八拾錢。
これは1月に出かけた先にあったBOで110円で売られていたので購入。安い。
- ごん狐 (赤い鳥 昭和7年)
- 百姓の足・坊さんの足
- のら犬 (赤い鳥 昭和7年)
- 和太郎さんと牛
- 花のき村と盗人たち
- 正坊とクロ (赤い鳥 昭和6年)
- 鳥右ヱ門諸国をめぐる
の7作を収録。どの作品も大人が読んでも味わい深いし考えさせられる。
デビュー作「正坊とクロ」は子ども向け童話という感じだが、その他すべてはむしろ大人こそが読むべきでは?と感じた。
「ごん狐」のビターな最悪バッドエンド、「のら犬」の坊主の意外な心変わり、「和太郎さんと牛」の和太郎の天然キャラ、「花のき村と盗人たち」の盗賊の頭が涙する意外な顛末、「鳥右ヱ門諸国をめぐる」の鳥右の生きざま、どれも大人読者の鑑賞に耐える。すべて長い年月の試練に耐えた傑作。
「花のき村と盗人たち」は自分的にドリフコント。お頭をいかりやさんで脳内再生してた。
そして「和太郎さんと牛」も落語ぽいなと感じた。これは読み聞かせするだけでも面白くできそう。
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