ロバート・シルヴァーバーグ「時間線をのぼろう」(1969)を伊藤典夫訳の創元SF文庫(2017)で読む。星雲賞受賞作だというので読んでみた。
UP THE LINE by Robert Silverberg 1969
ロバート・・シルヴァーバーグ(1935-)は高校生ぐらいのとき「夜の翼」という本を持っていたことは覚えているのだが内容はまるで覚えていない。なのでほぼ初読のSF作家。
2059年、タイマーのついたベルトような装置で過去へタイムトラベルが可能になっている。時間局の管理のもとで歴史的名場面を観光を実施する旅行部と、時間犯罪を取り締まる時間警察ができている。
時間旅行部に就職したジャド青年はギリシャ系。観光客をビザンティウムやコンスタンティノープルへ連れて行く。観光の一番人気はゴルゴタの丘だが、なぜかこの本はほぼビザンティン帝国へしか行かない。皇帝とトルコ人との戦い、十字軍などを見物。
キリストを毒殺しようとするようなやつは時間警察によって、ことを起こす直前に始末される。歴史を改変するようなやつは存在を消される。タイムパラドックスというやつを修正する。
この本、やたらエロが多い。たぶん大人のための娯楽読み物。歴史を変えることは許されないのに、過去で美女を見つければ性交へと持ち込む。避妊さえすれば問題ない。え、そんなことある?
藤子F不二雄せんせいはこの本を読んだことあるのかな?と思った。「タイムパトロールぼん」のことを連想したから。
だが、内容はまったく似ていない。とにかく時間旅行ガイドたちが異常。主人公は若いころの祖母に対しても情欲を抱く。遥か昔の祖先と性交する。そんなことってある?
読んでいて面白いとこも多少はあった。自分が担当する団体旅行の1人が行方不明になり、祖先の結婚相手が違っていて焦ったり。
だが、期待したほどには面白いと感じなかった。だからあまり有名になっていないのか。
日本の読者とはセンスが合ってないように感じる。あまりオススメする気にはならない。
0 件のコメント:
コメントを投稿