早坂吝「探偵AIのリアル・ディープラーニング」(2018 新潮文庫nex)を読む。
これ、いつものようにBOをうろついてて110円で見つけてキレイな個体だったので購入。
AI研究者だった大学教授の父が自宅で不審死して孤独になってしまった高校生主人公が、父の遺したAI探偵・相以とともに真犯人を捜す…という、全5本の連作短編からなる一冊。
警視庁捜査一課の女刑事、顔に傷のある公安の刑事、そして主人公のスマホ内にいる相以が、AIによる統治を実現しようとテロ活動を行う謎のグループ「オクタコア」の正体へ迫る。
その一方、相以の双子で「犯人」側として開発されたAI「以相」はオクタコア側に盗まれるのだが、オクタコア側の真のボスへと接近していく。
5本どれもアイデアがユニークでちょうど良い。そして焼身自殺したという主人公母の事件へと迫る。
AI相以が、ディープラーニングが不得意な「フレーム問題」、「シンボルグラウンディング問題」、「不気味の谷」といったつまづきを犯す。
そのたびに主人公や女刑事が修正。あくまでAIの出した結論を正しく使うのは人間側ということだな。
正直、予想外にとても面白かった。近未来ディープラーニングAI探偵ミステリー小説。
終盤の「チューリングテスト」のくだりは読んでて混乱したけど。
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