ジェイムズ・M・ケイン「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1934)を池田真紀子訳の2014年光文社古典新訳文庫で読む。
James M. Cain(1892-1977)は米メリーランド州出身のジャーナリスト作家。
本作「THE POSTMAN ALWAYS RINGS TWICE」は全米ベストセラーで過去に何度も映画化と舞台化。
ティファナで3週間すごしたフランク・チェンバース(24)は干し草トラックでカリフォルニアのガソリンスタンド・モーテル併設レストランにたどりついた。
待ち合わせがあとで来るからと嘘をつき料理を注文。だがニック・パパダキスというギリシア人経営者から「自動車修理ができるならうちで働かないか?」と提案される。このギリシャ人はニックが無一文なことを見抜いてたのか?
フランクは調理場にいる店主の妻コーラを見たら、ここで働くことを決めた。
コーラとフランクたちまちデキてしまう。コーラはギリシャ人夫がもう嫌で嫌でたまらない。だが頭は良いが頼りにならないフランクとどこかへ逃げるのも嫌だ。
で、夫を殺害する計画。1度目は事故に見せかけて殺そうとするも、警官がやってきたり猫がヒューズ飛ばしたりで、ニックは頭がい骨骨折という重傷を負って入院するも生還。
根無し草フランクは出て行こうとする。賭けビリヤードなどやりながら。だがニックと偶然出会ってレストランに戻る羽目に。
今度こそはとニックを自動車事故に見せかけて殺害。
だが検事サケットは疑う。「なんで半年間もそこで働いていた?」「コーラってキレイだよね?」しかもニックには保険金がかかっていた。コーラかフランクが殺したんだよね?
だがカッツという有能弁護士が登場。すべてまかせろ!
保険会社との巧みなカード裁きにような取引で過失傷害の執行猶予で放免。
だがコーラ母が倒れ留守の間にフランクは別の女とメキシコ旅行。さらに留置されていたときに供述した書類を持った恐喝者も登場。一度罪を犯した人間は安らげない。
そして驚愕のバッドエンドへ転げ落ちていく…、という古典的名作。流れ者男が運命に流されるにまかせて最終的に絞首台。鬱文学かもしれない。郵便配達員は出てこない。
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