2024年9月23日月曜日

田中啓文「信長島の惨劇」(2020)

田中啓文「信長島の惨劇」(2020 ハヤカワ時代ミステリ文庫)を読む。
いちども読んだことのない作家だが、この本がたまたま目についた。本格時代ミステリというジャンルらしい。
文庫裏のあらすじがきによれば、
本能寺の変で織田信長が討たれて十数日後、信長を名乗る何者かの招待により、羽柴秀吉、柴田勝家、高山右近、徳川家康の4武将は、三河湾に浮かぶ小島を訪れる。信長の死に対して負い目を感じていた4人は謎めいた童歌に沿って、ひとりまたひとりと殺されて行く…。
という箇所を読んでw バカなの?「そして誰もいなくなった」のパロディなの?

信長の花押のある書面によって信長島におびき出された秀吉、勝家、右近、家康。島にはすでに森蘭丸、弥助、千宗易、そして光秀の娘の玉が饗応係としている。どんなにしつこく求めても信長本人には合わせてくれない…。

食事の用意。勝家が酒が飲めないと断る蘭丸に強引に葡萄酒を飲ませると、蘭丸は血を吐き苦悶の末に落命。え?!ぶどう酒に毒が?一緒に飲んでいた勝家はなぜ無事?

そして勝家は頭をカチ割られて死亡。さらに、右近も木の上に磔にされて発見。そしてもう一人の意外な客人が来島。

そして秀吉と家康が探偵のように捜査を開始。姿を見せない御屋形様の信長は一体どこに?
さらに秀吉も死亡?!
こんな島にはいられない!島を脱出しようと自ら小舟をこぎだした家康だったのだが…。

まったく予想外な驚天動地の真相。いちおう本格ミステリーの範囲内には留まっている?!

かなり自由な同人誌のようなハチャメチャ展開だが、楽しく読むためにはそれなりにミステリー小説と時代小説を読み込んで戦国武将の基礎知識が必要かもしれない。
感心しかない。また新たな「そして誰もいなくなった」痛快オマージュ作品が誕生。ドラマ化希望。

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