竹宮ゆゆこ「知らない映画のサントラを聴く」(2014)を読む。平成26年新潮文庫NEX
で読む。
もうしわけないがこの本はBOを物色してて110円で見つけたので連れ帰ったもの。ちょいタイトルが気になった。文庫書き下ろし作。
ヒロイン錦戸枇杷23歳は大学卒業後に就職に失敗し自宅警備員。ネトゲにはまるわけでもアニメ、マンガに現実逃避するでもなく、ただひたすら家でゴロゴロ。両親と兄と兄嫁は全員歯科医師。何もしてない申し訳なさから掃除や洗い物はする。冷房はつけないというこだわり。頭はぼさぼさでヨレヨレのジャージとTシャツに便所サンダル。友人はひとりもいない。
夜な夜な、街を徘徊。ある目的をもって。セーラー服(テロテロ素材のコスプレ用)を着た「ヤバイ栗山千明」のような女に、自転車に乗ってるといきなり襲撃され、あるものを奪われる。その奪われた物をとり返すために、そのセーラー服を探して夜の街へ出る。
枇杷にはただ一人の親友がいた。小学三年の夏のプール授業。向かい合って手をつないでぐるぐる回転する遊び…で知り合った朝野。帰国子女なのであだ名が「アメリカ」w
この子が頭がよく超美少女。高校で別々になり、朝野には彼氏ができる。
てっきりラノベ的なものを読んでストレスなく過ごしたい…と思って選んだ。この23歳無職女の独白文体がPOPでテンポとグルーヴ感が若者のそれ。
だが、内容は純文学だったかもしれない。友人朝野の突然の自死、その元カレ女装変態男昴、そして贖罪。
太宰治や林芙美子を読んでるような感覚だったかもしれない。もしかするとこの作者は天才かもしれない。
いや、面白かった。高校生、大学生、二十代女子は読むべきだと思った。ふつうに青春映画を1本見終わった感じ。今すぐアイドル主演で映画かドラマにするべき。
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