2023年12月26日火曜日

赤川次郎「殺し屋志願」(1990)

赤川次郎「殺し屋志願」(1990)を角川文庫1994年版で読む。こいつも無償でもらってきた赤川次郎。

17歳女子高生新谷みゆきは通学中の満員電車で、何者かに刺された男を、駅のベンチで看取ることになる。この男は実は鳴海という殺し屋だった。
以後、刑事と田所佐知子という他校の同じ17歳の少女が接近してくる。

この本は鳴海の死後の捜査と、鳴海の生前の回想が交互に描かれるという構成。
この作品は簡潔に他人にストーリーを説明するのが難しい。とてもややこしい。

鳴海は殺しの現場をセーラー服の女子高生に目撃される。この女子高生が楽器ケースのようなものを持っていた。音楽コンサートがあることを突き止め、口封じに殺すために女子高生に接近するのだが、逆に女子高生側から誘いをかけてくる。関係を持ってしまう。そして、継母の殺害を鳴海に依頼。この女子高生が田所佐知子。17歳にして恐ろしい悪女。

新谷みゆきは保護観察中の元暴走族少年と恋仲だが、母親が異常に厳しくて外出もままならない。そんなみゆきに佐知子が接近してくる。厳しい母親のお眼鏡にかなう品の良さで。

しかし、この佐知子はみゆきに「母親を殺したら?」とアドバイス。ふたりは以後協力関係?

そして、鳴海は佐知子の継母予史子を尾行してるうちに、やっぱり逆に誘われて関係を持つ。鳴海の安アパートの中年女性が毒殺されたり、田所の父親も別荘で殺害されたりと殺人事件も起こってる。

鳴海が巻き込まれて行く佐知子・予史子とその夫の家庭の愛憎。あゆみと佐知子。あゆみと両親の家庭の事情。鳴海を殺した犯人を追う刑事。その展開が、まるで予想のつかない展開。
この本は今まで読んできた赤川次郎の中でもとくに感心した。オススメできる名作かもしれない。2時間ほどでサクッと読める。

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