加藤小夏主演映画「君たちはまだ長いトンネルの中」が5月7日にTOKYO MX2で地上波初放送(CMなし中断なしで)された。劇場公開からまだ1年も経っていないのに。有難く録画した。
脚本監督はなるせゆうせい。
原作・原案は「こんなに危ない!?消費増税!」 消費税増税反対botちゃん著 (ビジネス社刊) 経済監修は藤井聡。
これ、紙芝居アニメがネット配信されていたときからリアルタイムで見ていた。その後、いつのまにか実写映画化が決定してたことに驚いたし、主演が加藤小夏に決まったと知ったときも驚いた。小夏は原作マンガキャラにまったく似ていない。
公開された予告編がなかなか魅力的だった。キャッチ―だし爽快感がありそう。
内容が政治的そのもので、小さなヒット以上のものにはならないことはわかりきっていた。1989年の消費税導入から日本の失われた30年はそのまま政権与党と財務省が国民を欺き続けた30年だったことを示す映画。
高校の授業風景がぞっとする。担当教諭が日本をやたら経済大国と呼ぶし、アベノミクスが成功したと事実のように、洗脳するように復唱し、先生を疑うことを知らない子どもたちに刷り込む。
高校生に向けた授業であるならば、事実関係を確認し、経済指標を分析し、そして判定評価する内容であってほしい。これではまるで北朝鮮。
「現代貨幣理論(MMT)は理論的裏付けのないいかがわしい理論」だという意識を植え付けられた人々は、たぶんこの映画を楽しめない。自分の信じるものと異質な主張を繰り返すこのヒロインを、不気味な何かとしか受け止められない。
この分野を専門的に学んだ人以外は、どちらの言い分が信用できるか?にこの映画の受け止め方がかかってる。
財務官僚は日本の予算を一手に握って他省庁を支配。その使命は政府の財政を健全に保つこととされている。国民の生活が困窮しようが知ったこっちゃない。その辺が執拗に強調されている。
日本が中国北朝鮮と違うところは、その政策を各自が自由に評価し、批判する意見を自由に述べられることにある。だが、この国のテレビはアベノミクスが一般国民にはごく限られた指標でしかその成果を確認できない…ということをあまり報道してこなかった。それは恐怖でしかない。ある意味で日本らしい。表面上だけ糊塗すればよい。
官僚というものは学歴に裏打ちされた高い現実認識力と理解力と分析力と、組織としての経験から粛々と過去の事例に基づいて実務を継承していくものでしかない。何か新しい事態に柔軟に新しい手法で対応していくことや、経験のない事態に方針を転換していくことは最初から望まれも期待もされていない。
よって今後も事態は変化しようがない。政権交代して経済政策の方針が変わらないかぎり。
この映画、見ていてまるで映画らしくない。財務省と政権与党の消費税増税に反対するというイデオロギー啓蒙宣伝ドラマなので。そのやり方がお役所がつくる教育ビデオのよう。政権と財務省の逆の主張をしているのに。
ずっと出ずっぱりで長いセリフを求められた加藤小夏はプレッシャーとストレスを感じたに違いない。
それにしても女子高生夏服白シャツ姿が美しすぎて眩しい。顔が高貴さを感じさせるし、体型が華奢で可憐。何もかも好き。初めて見た瞬間から「あ、この子のために死にたい」と想わずにいられなかった。それぐらいに加藤小夏はいろいろなものを超越した存在。天使で女神。
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