2022年12月30日金曜日

今村昌弘「兇人邸の殺人」(2021)

今村昌弘「兇人邸の殺人」(2021 東京創元社)を読む。「屍人荘の殺人」から始まる大学ミステリー研の葉村と比留子のシリーズ3作目。
そういえば班目機関とかいうものがあったんだった。あまり覚えてないけど、読み始めるとなんとなく思い出す。

葉村くんはファミレスで友人たち(剣崎比留子めあてミステリー研入部希望者)に悪問を出題してたりすると比留子さんから呼び出し。
廃墟テーマパークにある元班目機関関係者が住む「兇人邸」に潜入して貴重なデータを入手したいという医科学研究企業に比留子の「事件をまねきよせる能力」が必要らしい。
まずこの理由からしておかしい。大学生をそんな危険な場所に誘うな!比留子も大学後輩を連れて行くな!

生体実験の貴重なデータを得るために押し入ったと思いきや、傭兵を連れた軍事作戦のようなもの。
だが内部に巨人怪物がいて素早い動きで侵入者の首を斬りにかかってくる。気づけば白骨だらけ。この施設では従業員が行方不明になる事案が多発。調査にやってきたジャーナリストも巻き込まれる。ミステリー小説を読むつもりががっつりサスペンスホラー。
怪物からの攻撃で次々と首と胴が分離した死体。比留子も行方不明。しかも施設の外部に出られない。設定的にクレタ島クノッソス迷宮とミノタウロスのようなもの。

そんなありえないクローズドサークルで起こった老主人不木(マッドサイエンティスト?)が殺害された事件。怪物からの攻撃。身を護りながら謎を解く。

だがこれは自分と合ってなかった。読んでいて状況がぜんぜん頭に入ってこない。登場人物たちの行動があまり納得できない。

この作者の本を3冊読んできたけど、正直いちばんおもしろかったのが「屍人荘」だった。あれは許容できたけど、これは荒唐無稽すぎて最後まで受け入れられず冷めたままだった。
ラノベ読む人にはそれでいいかもしれないが、大人読者にはオススメできない。自分はもう読まないかもしれない。

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