2022年5月22日日曜日

罪とか罰とか(2009)

ケラリーノ・サンドロヴィッチ脚本監督の「罪とか罰とか」(2009 東京テアトル)を今になってやっと見る。
ケラ主催劇団ナイロン100℃の1996年公演「ビフテキと暴走」を原案として、成海璃子主演で映画化したもの。公開から13年経ってやっと見た。

自分の感覚では成海璃子はそれほど人気女優というわけでもなかった。なので必ずしもチェックしないといけない映画でもなかった。それに売れないアイドルが一日警察署長をしてて事件に巻き込まれるというパターンが今更感がしてスベってる予感がしてた。

冒頭コンビニシーンから文芸作品ナレーションふう。なぜか気の弱いサラリーマン段田安則の人物描写から始まる。朝立ち寄るコンビニ店員役で市川由衣が出てて驚いた。
歩いてると目の前にアパートから転落して死亡する女性(佐藤江梨子)。段田は救急車を呼ぼうと道路の反対側の公衆電話に行こうとしてトラックにはねられ死亡(?)。そのトラックの助手席に麻生久美子。かなりシュールな展開。いかにもぶっとんだ劇団芝居っぽい。その様子を目撃していたのが成海璃子。

大倉孝二奥菜恵がバカカップル。大倉粗暴。高圧スタンガンでコンビニ強盗を計画?その同居人が山崎一。こいつが作業員が電気設備をチェックしてるふうでコンビニの見取り図をスケッチして下見をしてた。このやりとりがテンション高くて騒々しい。あまり映画らしくない。

成海璃子が自分の乗ってる雑誌が買えずに万引きをして捕まるという掴みがまず嫌だし哀しい。アイドルという存在はみんなに夢を与える存在のはずなのに。
安藤サクラさんが売れっ子グラビアアイドル役でビキニ姿をさらしててびっくり。

万引きを不問にするために成海が一日警察署長をやらされるという設定が嫌。マネージャーが犬山イヌコ。アイドルオタがステロタイプすぎ。六角精児が巡査部長。
ドラマとして間合いとテンポが独特すぎ。

警察署で元恋人の春樹(永山絢斗)に再会。こいつ(棒演技)は刑事でありながら殺人鬼。
鳴海と永山の会話が謎。鳴海は永山が殺人鬼であることも知っている。かつて永山が人を殺したとき自首を制止してた。その後も複数の殺人。なんだこのブラック設定。鳴海と永山の会話芝居がかなり下手に感じる。
永山の子ども時代を語る母親役が池谷のぶえ(ワンシーンのみ)でびっくり。今よりもかなり太ってる。

雑誌編集者役で行定勲監督が出ててびっくり。さらに赤堀雅秋も出ててびっくり。(こいつは見た目が生理的に受け付けない)
この雑誌編集部が全員軽薄。入江雅人も酷い。誰も成海の訴えに耳を貸さない。みんな死ねばいいのにと思った。(演劇人やってると周囲はこんな軽薄で酷い人だらけなのかもしれない。)
なけなしの千円札を飲み込む自動販売機も極悪。メンタル弱ってる人を追い込むな。

リアリティのないヘンテコおじさん警察官たちと、押しに弱い成海のヘンテコやりとりと、他人の不幸で笑おうっていう舞台芝居を映画として見る映画。やっぱりスベリまくって寒かった。

あとなんでこんな時系列にした?って思ったら、伏線回収することがすべてなのかよ。
なんで女の家にチェーンソーがあるんだよ。寝不足でトラックを運転するな。
あと、コンビニ強盗現場で傍観だけしてた警官は即刻懲戒免職するべき。指示待ち警察官も適正を欠いてるとしか言えない。証拠隠滅するな。

権力を握って嫌なやつらをみんな拘引して留置所にぶちこむとか、それは夢のようだな。何も考えずに見るべき映画。

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