2022年5月23日月曜日

ヒッチコック「鳥」(1963)

アルフレド・ヒッチコック監督の「鳥 THE BIRDS」(1963 パラマウント)を見る。有名な映画だが今回初めて見る。

今まで見て来たヒッチコック映画はすべて大人のサスペンスという感じだったのだが、これはどうやら動物パニック映画。他とは毛色が違うんじゃないか…と避けていた。BSでやってたので録画しておいたものを見る。
原作はダフニ・デュ・モーリエによる同タイトルの短編小説だそうだが、その作家を自分はまったく知らない。

「めまい」と同じくサンフランシスコが舞台。空には鳥の群れ。
自分はこの「鳥」という映画を、鳥の大群が出現し人々を襲ってパニック!という映画だと思ってた。予想に反してミステリアスな男女のおしゃれ会話が続く。

メラニー(ティッピ・ヘドレン)という美人がペットショップ(鳥のみを扱う)店でミッチ(ロッド・テイラー)というイケメン男性に妹へのプレゼント用の鳥について話しかけられる。
男は気が変わってその場を去っていく。メラニーは車のナンバーから男を割り出してプレゼント用ラブバードのつがいの入ったケージを持ってアパートメントへ行くのだが、向かいの部屋の男によれば、サンフランシスコから北に100キロばかり行ったボデガベイという港町に帰っていて月曜まで戻らないという。

メラニーは異常な好奇心と行動力でミッチの家を探しボートで訪ねて鳥かごを家に置いていく。すぐにミッチは気づく。その後ボートでカモメに襲われたメラニーは頭に怪我。なんかちょっと変わった男女の出会い。酒場で手当てをしてもらうと男が刑事事件専門の弁護士であることを知る。
ここまでいろんな人が登場するのだがみんな素朴でいい人たち。だが、ミッチの母親(ジェシカ・タンディ)は初めて会った時からなにやら警戒心丸出しで固い表情。メラニーはミッチの家族に夕食に誘われる。

ミッチと家族のことを知る村人アニー(スザンヌ・プレシェット)と同級生だと嘘をついたりもするメラニー。いろいろ強引にアニーの家の貸し部屋一晩泊まったりする。ミッチと母親、そしてアニーの話を聴いたりする。なんだかいろいろと不穏な感じもする。

屋外でパーティをしてると突然に鳥たちが襲撃してくる。部屋にいても暖炉の煙突から大量の鳥たちが侵入してくる。何か異常なことが起こってる?保安官を呼び出してもどうにもならない。

まてよ、そういえば鳥たちの襲撃現場にはいつもメラニーがいる。と思ったのだが、近隣住民も鳥に襲撃され惨殺されていた!?
小学校でもバードパニック。さらにカモメの大群で街はパニック!やはりメラニーがこの街に来てから鳥たちがおかしくなってる?
子どもたちを守った教師アニーも死亡。

この映画、何を描いているのか?何を意図してるのか?一向に展開が読めなくて原因がわからなくて見ていてストレスが溜まる。ひょっとしてそれが狙い?

公開時にとても話題になった映画らしいのだが、今となっては映画としてどうなの?と思わざる得ない。正直かなり退屈した。
ヒッチコックはこの企画と脚本でできる最上の仕事はした。しかしそれでもどうもならない。ストーリーを深読みしようと思えばいくらでもできるけど荒唐無稽。どんな生き物だって異常に大量にいれば何だって怖いに決まってる。

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