2022年1月7日金曜日

内田有紀「地方紙を買う女」(2007)

2007年1月30日に日本テレビで放送された松本清張スペシャル「地方紙を買う女」が昨年夏ごろBSで再放送されたので録画しておいて見た。脚本は橋本綾。演出は雨宮望。

自分は十数年前ぐらいに原作を読んだのを覚えている。たぶん短編だったはず。どの短篇集に収録されていたのか覚えていない。あまりストーリーを覚えていない。この短編は過去何度もドラマ化されている。2時間ドラマにするにはいろんな追加設定を盛りに盛る。

松本清張らしい暗い女の仕組んだ心中に見せかけた計画殺人。男と女の愛憎、嫉妬、金、強請り。とても松本清張らしい犯人側目線の倒叙ミステリー。
意外な方向から容疑者に浮上する。それが地方紙の定期購読。その申し込みと解約のタイミングで新聞連載小説家から疑問を持たれる。これがこの小説のキモ。
内田有紀さんが主演なので見た。当時たぶん31歳。内田有紀さんは10代からモデル、女優、歌手という道を歩んだ90年代前半のアイドル。CMにもたくさん出てた。
一度は某俳優と結婚し引退状態だったのだが離婚後に女優業を再開。自分が見た所、内田有紀さんは離婚後の復帰以降に女優としての人気がさらに高まった人だと認識してる。

20歳前後のころの内田有紀さんは褐色の肌でとても顔が濃い。40代の今のほうが若々しく美人で輝いてる。昔はハイテンションでやんちゃ。その後落ち着いた大人の女性。

今回のテレビドラマの舞台は仙台近郊の仙山線愛子駅からスタート。バスで降り立った男女(千原ジュニア国分佐智子)が第三の女に手渡された毒物入り水筒で毒殺される。
これ、「点と線」にも同じ状況が出てくるけど、実際問題として2人とも同時に仕留めるのは難しい。もしも青酸カリとか即効性の毒ならどちらかが飲んで苦しむのを見たら、もう一方は飲むのを止める。
女は事件がまだ明るみにでる前から地方紙「仙台新報」の購読を申し込む。東京の人がなぜ地方紙を?という社員からの質問に、思い付きで新聞連載小説の名前を挙げる。そして事件が発覚。新聞で詳細を見て心中事件になっているのを見て安心し購読を打ち切る。

読者が増えたと喜んで失望する作家先生が高嶋政伸。作家は銀座のクラブで名前に見覚えのあるホステスと出会う。愛子という地名を出してヒロイン潮田芳子(内田有紀)をビクッとさせる。

松本清張を読んでるときのイヤミス感がまったくない。だんだんバレていくサスペンスがない。ぶっちゃけつまらない。
松本清張の短編は読んでいるときは登場人物にぜんぜんといっていいほど個性が感じられないドライな文体。2時間テレビミステリーにすると抒情味付けが足されて味が濃くなる。せいぜい1時間でいい。
作家男の追い詰め方がいやらしいのではあるが、サスペンスとして見どころはなにもない。見ててどんどん冷めてった。
自分で適当な動機を書くこともできない中途半端作家高嶋をさらに完璧に抹殺してくれたらスッキリするのに……って見てたら、やっぱり清張らしい悪女。
 
松本清張を原案とするこねくり回した改変2時間ドラマ。
内田有紀さんの美人っぷりは十分に伝わってきた。ホステス内田さんがとてつもなく美人。

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