2021年12月25日土曜日

容疑者Xの献身(2008)

まだ一度もちゃんと見てなかった「容疑者Xの献身」(2008 フジテレビ、東宝)を見る。ようやく見る。
ドラマがヒットして映画化されたフジテレビ映画。福山雅治にとって久々の主演映画。製作は亀山千広社長。監督は西谷弘。脚本は福田靖。

これは東野圭吾の原作本も売れまくったし映画も大ヒットしたのだが当時はぜんぜん見たいと思えなかった。人間ドラマ的なミステリーにあんまり興味ない。それでもゼロ年代の名作と呼ぶ人が多いので見てみる。

羽田沖でのクルーザー爆発事故を湯川先生(福山)は涼し気に「オレ天才~」という感じで科学実証実験してサクッと解決。驚く柴咲コウ刑事。という冒頭の掴み。
得意げに数式を述べるとか、この探偵先生、ホントに嫌だわ。
で、この映画版には湯川以上の天才数学者堤真一が登場。日本のドラマとか映画って天才数学者が好きすぎる。

この先生は寒そうに清洲橋を渡って通勤。途中で松雪泰子が切り盛りする弁当屋でおまかせ弁当を購入。店を出る時ドカッとぶつかる感じの悪い男が長塚圭史。こいつが松雪の元旦那。安アパート部屋に突然やってきてむりやり侵入し娘に暴力。
松雪母娘はヒモ暴力男長塚をコタツのコードで絞殺。普通につつましく暮らす庶民が犯してしまった望まない殺人。死んで当然の男。

で、隣の部屋が堤。隣がドタドタ騒々しい。この男はほぼ何が起こったか悟ってる。

そして河川敷の少年野球グラウンドの片隅で男の全裸死体。指紋は焼かれ顔面破壊。しかし速攻で身元判明。凶器がコタツコードであることもすぐに判明。元妻松雪もすぐに容疑者に浮上。北村一輝と柴咲コウ刑事がすぐに聴き込みに来る。

北村柴咲コンビがすぐ湯川を頼る。松雪にしっかりしたアリバイがあったから。だらしない。
湯川も認める天才石神(堤)は暗い高校教師。生徒たちはどう見ても底辺高校。まったくやりがいのない仕事。
なぜ石神は松雪を助けるのか?「お弁当を買えなくなったら困るから」

見ていて何も新鮮さを感じなくて退屈していたのだが、湯川が「自転車の指紋」の件に不審なものを感じてから面白くなってくれそうな予感がした。
湯川は石神に何かを感じてる。「必ず答えがあるのに解けない問題を作るのと、それを解くのとどちらが難しい?」という数学的問いかけをする。

何かに気づいた湯川を石神はふたりで冬山登山に誘う。それは不穏。青白くて覇気のない石神が真冬に登山?だが湯川のほうがバテバテ。
そしてホワイトアウト嵐。湯川滑落。これも石神のねらい?かと思いきや普通に山頂の風景を楽しんでるとか、どんな肩透かしだよ。このシーン必要?

石神は自首。湯川は解き明かしたアリバイ工作を取調室で石神に語って聞かせる。
正直自分は世間の評判程に真相に驚けなかった。期待に及ばない。やっぱり役者の演技力に頼った湿っぽい人間ドラマ重視の社会派ミステリー。

ホームレス殺害を美談にしちゃいけない。警察の被害者身元調査ってそこまで雑なの?天才ならではの完璧な死体処理したのかと思ったら隅田川に棄てただけ?
またまた東野圭吾作品に期待して裏切られた感じ。世評ほどには感心しなかった。

0 件のコメント:

コメントを投稿