2021年5月26日水曜日

長澤まさみ「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(2020)

劇場公開映画「コンフィデンスマンJP プリンセス編」(2020 フジテレビ、東宝)を見る。
脚本はもちろん古沢良太。監督は全作「ロマンス編」と同じく田中亮。制作は石原隆と市川南というフジテレビ東宝映画。

3月の日本アカデミー賞授賞式で長澤まさみが涙を流していたように、この映画以降、海外ロケとかいっさいできなくなった。公開も延期になったし第3作の制作も厳しいスケジュール。

さらに東出昌大夫妻は離婚。公開直前に主要キャストの三浦春馬が亡くなり、公開後に竹内結子が亡くなった。
このシリーズが始まって3年。この1年の間に起こったことが濃密すぎた。
それでもみんな前を向いて映画を撮り続ける。テレビに出演し何事もなかったかのように笑顔を振りまく。みんなプロだよ。
いきなり北大路欣也さん演じるシンガポール中華系大富豪が亡くなる。ビビアン・スー、白濱亜嵐、古川雄大の3人の子が登場。

当主の残した奇妙な遺言。遺産は末娘ミシェルに継がせる。台湾の小さな町工場がフウ一族によって燃やされ追い出されるというシーン。古沢良太はアガサ・クリスティーか「犬神家の一族」がイメージにあったに違いない。

スピードテンポでダー子&スタア(竹内結子)の詐欺話失敗シーン。このコンビは冒頭で双方がののしり合ってアッサリコンビ解消。(と見せかけて竹内は重要な役回りも演じてた)

そして今回初登場ヒロイン・コックリ(関水渚)登場。母娘の巾着切り。

いつものようにウッドベースのイントロから3人の前口上。そして「コンフィデンスマンの世界へようこそ!」キタキターー!ダー子チーム始動。
ダー子とリチャードによるボクちゃんへの状況説明。これがコンフィデンスマンのスタイル。
ミシェル17歳は行方不明。まずまさみダー子がミシェルに成りすまそうとするも却下。このやりとりは軽妙な笑い。まてまてまて。
で、不幸な暗いメガネ娘コックリ。この子をミシェル役にスカウト。狙いは手切れ金。

フー家の家宰トニーが柴田恭兵さん。自分の知ってる柴田さんもだいぶ老人になった。ダー子は立て板に水のようにレイモンド・フウ氏との嘘のワンナイト逢瀬を真実のように語る。

で、DNA鑑定をチートで切り抜け上流階級英才教育。「この年でドラゴン桜やるとは思わなかったわ」完全に監禁されてる。
ビビアン・スー古川雄大の嫌な金持ちボンボン演技が素晴らしすぎる。このふたりは俳優として相当な実力者だと感じた。存在感からして適切。

毒入りクッキーの演出が適切に正しくチープなのがとてもよい。
ダー子とコックリは逃げ出すしかなくなる。今回は失敗か…。そして逃亡劇。GACKTが行きずりのワンシーン登場。

フウの娘と息子の陰湿さにファイトを燃やすダー子。いよいよ本気で戦う気になる。フウ家の当主の座をいただく!
今回のまさみはコックリの母親を演じた。まさみは「MOTHER」という映画でも母親。まさみの母性表現の演技が秀逸。表情がとても適切。それにまさみは色が白い。細い。いつも以上に胸が大きい。眉毛が濃い。
この映画、公開当時から関水渚を広瀬すずだと思ったまま見てた人がいた。どうしてそうなる?

玉璽が登場。自分、レイモンド・フウという名前を聞いたとき、「馮」という姓をイメージしたのだが、この映画冒頭で「胡」という文字がアテられていた。なのにこの玉璽には「馮」という文字があった。これはどういうわけ?(これは本筋と何も関係なかったw)

そして舞台はマレーシア・ランカウイ。ミシェル・フウのお披露目パーティー。
ここでジェシー(三浦春馬)、アカボシ(江口洋介)、ラーメン未亡人(広末涼子)ら詐欺師大集合。コメディ色が強くなる。五十嵐(小手伸也)にもちゃんと出番がある。

そして玉璽を盗むチャンスは1回きり。その一方で、柴田さんはミシェルが偽物なことに気づいてる?アカボシはダー子たちを狙う?ダー子とコックリ、大ピンチ!?

だが、コンフィデンスマンのパターンを知ってると、この修羅場もどうせアレなんでしょ?と思ってしまうw
「くそっ、バカどもがぁ!」アカボシ、なんで泣いてるん?
正直、今回の巻き戻しはあまり驚けなかった。今回の仕込みはさすがに無理がないか?広末涼子もだが、あの殺し屋も韓流スターっぽければ誰でもいいのか。もし、アカボシ自身が拳銃なりナイフで直接手を下したら?

トニー柴田さんもレイモンドの意志に正しく従ってしまうという驚き。信じればそれが真実。あのラスト付け足しは結果味わい深い。
結果、みんな収まるほっこりラスト。感動作。シンガポール版「海街diary」。どこか「カリオストロの城」も感じさせる。

この映画を見た人はみんな長澤まさみの女優としてのすごみのようなものを感じたのではないか?もう完全に日本を代表する国民的女優。
長澤まさみが演じることでこの物語が成立してる。まさみがいい女すぎる。この夏、日本中が彼女に恋をする…という映画。
スタッフロールの後の芝居シーンは次回第3作への伏線?海外ロケができなくなっても企画続行してるらしい。

0 件のコメント:

コメントを投稿